♪不思議な情感を湛えるピアノ曲
「モーツァルトがかつて作曲したもののうちで最も完璧で、
感覚的で、最も慰めのないもののひとつである。」
モーツァルトの音楽をこよなく愛したアインシュタインは、
彼の楽曲の中でも異彩を放つこの曲をこのように評しました。
実はこの作品が作曲された背景はほとんど知られていません。
頼りにしていた父の死が反映されているとも言われますが、
発表するオペラは次々と大成功を収め、作曲家としては
充実していた時期で、特に精神的に逼迫していたわけでもありません。
にも関わらずこのような深遠な悲しみを感じさせる楽曲を
生み出したことについて、同じくアインシュタインは
「別に目的もなくモーツァルトのペン先から流れ出し得たのだと、
単純に言ってしまっていいのではないか? 」とも言っています。
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当初は他の曲と組み合わせてソナタにする予定だったのを、
経済的理由でとっさに出版社に売ってしまったとの説もあります。
モーツァルトの全曲中、唯一のロ短調であるこの曲は、
作曲された1788年の夏に、姉に送った小品集のうちのひとつとも言われています。





