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発売日:2004-01-21 メーカー:ワーナーミュージック・ジャパン アーティスト:ボニー(バーバラ) | ||||
♪ゲーテの詩に作曲したシューベルト初期の傑作歌曲
歌曲王・シューベルトのリートの中でも、最も知られる代表的な作品です。
初期の歌曲としては『魔王』と並ぶ傑作とされています。
ゲーテによる原詩にはシューベルトの他、ウェルナー、シューマン、ブラームスなど、
多くの作曲家が曲を付けていて、その数は150を越えると言われています。
そうした多くの作品の中では、シューベルトとウェルナーのものが突出していて、
日本では近藤朔風の訳詩によって長く親しまれてきました。
童は見たり 野なかのばら
清らに咲ける その色愛でつ
飽かず眺む
紅におう 野なかのばら
手折りて往かん 野なかのばら
手折らば手折れ 思い出ぐさに
君を刺さん
紅におう 野なかのばら
童は折りぬ 野なかのばら
折られて哀れ 清らの色香
永久にあせぬ
紅におう 野なかのばら
(シューベルト版・近藤朔風 訳)
ウェルナー版はこちら
少年が野に咲くバラを見つけ、それに駆け寄り見とれていた
「お前を折るよ」と少年が言うと「それなら私はあなたを刺します
あなたが私を忘れないように」とバラは応えた
バラの抵抗とため息、嘆きも虚しく、少年はバラを折ってしまった…
というのが原詩の大意ですが、ここには若き日のゲーテの、
恋愛に纏わる悔恨の思いが込められていると言われています。
当時21歳の学生だったゲーテは、ゼーゼンハイムという田舎の村で、
訪れた牧師の家の三女、フリーデリーケにひとめぼれをしました。
ふたりは1年ほど交際を続けましたが、大学を卒業したゲーテは学業を究めるため、
黙って彼女のもとを去って行ってしまいました。
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フリーデリーケは、ゲーテの突然の行為に傷つきつつも、
彼への純粋な思いから、そのまま独身を貫き生涯を終えたのです。
つまり少年は若きゲーテ、野ばらはフリーデリーケということです。
こうした詩にシューベルトはあえて、素朴で清廉な曲を付けました。
あくまでふたりの純真な愛に、焦点を当てたかったのかもしれません。
ゲーテの詩に作曲したシューベルトの作品を、
友人がゲーテに渡すという機会がありましたが、
それに対してゲーテからは、何の返事もなかったということです。
シューベルト:野ばら -Heideröslein- Op.3-3 D.257
Franz Peter Schubert:Heidenröslein Op.3-3 D.257
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