2011年08月14日


リスト:《2つの伝説》 1. 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ S.175-1

ラ・カンパネラ(ベスト・オブ・リスト)
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レビュー平均: 5.0点 (2人がレビュー投稿)
5.0点 天才的な演奏が多い。
5.0点 強烈。
発売日:2007-06-20
メーカー:TOSHIBA-EMI LIMITED(TO)(M)
アーティスト:シフラ(ジョルジュ)

♪小鳥と聖フランチェスコの対話を繊細に表現

2人の聖フランチェスコをテーマにした作品『2つの伝説』から第1曲です。
こちらの主役はアッシジの聖フランチェスコ。
“フランチェスコ”とひと口に言えば、1181〜1182年にイタリアのアッシジに生まれ、
後にフランシスコ会を創設した聖人、アッシジのフランチェスコを指します。

裕福な家庭に生まれたフランチェスコは、若き日を放蕩のままに過ごしていました。
しかしある夜、神の声を聞いたことで改心を始め、すべての財産を捨て、
自給自足の生活の中、ひたすら神に祈るようになっていきました。

自然と一体化した聖人として、国や教派を超えて世界中の人から愛され、
小鳥への説教という伝説も、そんな彼を象徴するようなものになっています。
「キリストの教えを小鳥に説くと、小鳥たちはじっと彼の声に耳を傾けた」
という伝説を描いた、ジオットのフレスコ画はよく知られるところです。

晩年のリストは尊敬するアッシジのフランチェスコに帰依し、
その僧位を四つも受けたほどでした。
そして、アッシジのフランチェスコに纏わる伝説の中でも特に有名な、
ベバニャへ赴く聖人が小鳥に説教したという伝説を選び、
ピアノ音楽『2つの伝説』の第1曲の題材としました。

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この伝説は教会書籍『聖フランチェスコの小さな花』の第16章にあり、
リストはこれにインスピレーションを受けて作曲したのでした。

高音のトリルやトレモロはあたかも小鳥たちのさえずりを、
低音の威厳ある響きはフランチェスコの言葉を表現しているかのようです。
聖人が説くキリストの教えに、即座に反応する小鳥たちの姿が、
目に浮かぶように生き生きと描かれています。

どこまでもダイナミックに、パオラのフランチェスコの奇蹟を描いた第2曲に対し、
第1曲は繊細で細やかな機微の表現が魅力です。
宗教的合唱曲『アッシジの聖フランチェスコの太陽賛歌』の主題が引用されています。
『2つの伝説』は1865年8月29日に、リスト自身によりブダペストで初演されました。





リスト:《2つの伝説》 1. 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ S.175-1
Franz Liszt:St.Françios d'Assise, la prédication aux oiseaux
Légendes S.175-1



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 06:46 | 器楽曲・Piano | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする