2011年08月07日


リスト:《2つの伝説》 2. 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ S.175-2

ホロヴィッツ未発表カーネギー・ホール・ライヴ[2]~シューマン:幻想曲、ショパン:舟歌、リスト:伝説~水の上を歩くパオラの聖フランチェス
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レビュー平均: 4.0点 (1人がレビュー投稿)
4.0点 イスラメイもいいけれど…
発売日:2009-10-21
メーカー:BMG JAPAN Inc.
アーティスト:ホロヴィッツ(ウラディミール)

♪パオラの聖フランチェスコが起こした奇蹟をダイナミックに表現

若い頃から信仰心が厚く、作品にもその傾向が見られていたリストですが、
十年来に渡って交際を続けてきた、ザイン=ヴィットゲンシュタイン侯爵夫人である
カロリーネとの結婚を、式の前夜に取り消されたことがきっかけとなり、
精神的な虚脱感から抜け出すため、マドンナ・デル・ロザリオ修道院に入りました。
そして37歳にしてピアノを捨て、下級聖職者として修行する身となったのです。

『2つの伝説』はこうしたできごとがあった、1861年〜1863年にかけて作曲されました。
2曲は同名異人のふたりの聖フランチェスコに纏わる伝説をテーマとしています。

パオラの聖フランチェスコは、アッシジのフランチェスコが1226年に没してから
約200年後の1416年に、南イタリアのパオラ生まれた修道士です。
少年期をフランシスコ会で送った彼は、やがてミニモ会(最も小さい者の意)を創立。

後に、フランス国王ルイ11世を救うためにフランスへ派遣され終油を授けたほか、
シャルル6世、ルイ12甥に仕え、シャルル8世の教育にも貢献しました。
清貧を貫き、数々の奇蹟を起こし、人々の支持を集めました。

彼が起こした奇蹟の中でも特によく知られるのが、メッシーナ海峡にマントを広げ、
その上に立って、左手に燃える石炭をもち、海を歩いて渡ったというものです。
この奇蹟を描いたシュタインレの絵画を、リストは自宅に所有していました。
『水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ 』は、この絵画にインスパイアされた作品です。

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宗教的合唱曲《パオラの聖フランシスに寄す》(1862)からの主題が引用され、
荒れる海上を悠然と歩くフランチェスコの姿を、劇的に表現しています。
この曲にはリスト自身によるオーケストラ版も存在しますが、
近年の研究ではピアノ版よりオーケストラ版が先だったという説もあります。
それほどに壮大でダイナミックな作品です。

パオラの聖フランチェスコは、リストの守護聖人でもありました。
フランツ・リストの「フランツ」は、パオラの聖フランチェスコの名前に由来します。
ですからリストは終生、この作品を愛し大事にしていたようです。

リストは楽譜の序文として、聖フランチェスコとその奇蹟に関する長文を記しています。





リスト:《2つの伝説》 2. 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ S.175-2
Franz Liszt: "St.Françios de Paule marchant sur les flots"
Légendes S.175-2



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 07:07 | 器楽曲・Piano | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする