チャイコフスキー:弦楽四重奏曲全集
posted with あまなつ on 2008.09.11
ボロディン四重奏団
ワーナーミュージック・ジャパン(2001-05-23)
ワーナーミュージック・ジャパン(2001-05-23)
♪文豪トルストイが涙した「アンダンテ・カンタービレ」
ドストエフスキーと並ぶ19世紀ロシアの大文豪トルストイは、
同じロシアの作曲家チャイコフスキーの音楽をこよなく愛し、
深い交流関係を持ちつつその作品からも、
執筆につながる強いインスピレーションを受けていました。
1876年12月にモスクワで催された特別音楽会でのことです。
招待されたトルストイはチャイコフスキーの隣りの席で、
彼の近作である「弦楽四重奏曲第1番」に耳を傾けていました。
第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」が始まるとトルストイは宙を仰ぎ、
次第に涙が頬をつたい最後には、座っていられないほどに泣き伏してしまいました。
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直後の手記でトルストイはこう記しています。
「第2楽章の神々しい調べが私の耳に響いてきたとたん、私は至福を感じ、身震いした。
・・・この調べが橋渡しとなって天上の神が私の心に入り、私は神のものとなった。」
この体験の後トルストイは、有名な「光あるうち光の中を歩め」を執筆しています。
またチャイコフスキー自身もこの時のことを振り返り、10年後の日記にこう書いています。
「あの時ほど喜びと感動をもって、作曲家として誇りを抱いたことは、
おそらく私の生涯に二度と無いであろう。」
「弦楽四重奏曲第1番」は事実上、ロシア初の弦楽四重奏曲であるといわれています。
ウクライナ民謡が引用された第2楽章は、音楽指示用語である
「アンダンテ・カンタービレ(歩く速さで歌うように)」が愛称のようになり、
チャイコフスキーを代表する美しい作品として広く知られています。
Tchaikovsky:String Quartet No.1 in D major, Op.11
2. Andante Cantabile
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