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発売日:1991-09-21 メーカー:日本クラウン アーティスト:山下和仁 | ||
♪トレモロ奏法の代名詞的なクラシック・ギターの名曲
「禁じられた遊び」でギターを習い始め、一応の形がつくと次に進むのは、
トレモロの名曲として有名な、タレガの「アルハンブラの思い出」ということが多いです。
旋律はシンプルで、弾くことも一見、安易そうに思えるからですが、
実際に始めてみると「禁じられた遊び」とは雲泥の差があるのに気づきます。
トレモロはそもそも、ギターのように音が減衰していく楽器が、
弦楽器や管楽器、また声楽のように、音を持続させるために生まれた奏法ですが、
クラシック・ギターの場合、基本的に薬指→中指→人差し指の順で、
同じ弦を弾(はじ)き続けなければならず、これを粒を揃えて持続するのは、
技術面だけではなく、筋力的にも強靭なものが要求されます。
高い技術があるのに、トレモロだけは苦手という奏者もいて、
セルシェルのようなギタリストでも、3本指では弾けないという例もあるほどです。
ですから、トレモロに憧れ、いざ「アルハンブラの思い出」に進んで、
そこで挫折してしまうという声も、よく耳にします。
実はギターのトレモロは、楽曲の打ち込みでも特に難しい作業のひとつです。
譜面通りにただ音符を並べたのでは、実際に音を鳴らすと、
まるでドリルか機関銃のように響いてしまいます。
現実に人間が弾いた場合、トレモロの一音一音に強弱の違いがあり、
また、それらが常に等間隔で鳴ってはいません。
微妙にズレや揺らぎがあり、それがまた人間らしさにつながっているのです。
ですがそれを再現するのは、とても細かな作業が必要となり、
それでこれまでは旋律を、ヴァイオリンで奏でた版を公開してきました。
しかし、やはり「アルハンブラの思い出」はトレモロがあってこその名曲なので、
多少の難はあるかもしれませんが、改めてトレモロ版として公開させて戴きました。
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タレガはショパンを敬愛し、同じように叙情性と技術面の融合を心がけていました。
ですから高度な技術を要する曲でも、旋律は美しいものが多く、
「アルハンブラの思い出」はその代表例ともいえる作品です。
この曲は彼がアルハンブラ宮殿を訪れた際の感動と印象を、
その日の宿でひとつの作品に、まとめたものだと言われています。
以前、テレビ番組である女優が実際にアルハンブラを訪れ、向かいの丘に立ち、
沈む夕日をバックにこの曲の生演奏を聴く、という企画を放送していました。
夕暮れのアルハンブラに響くトレモロは感動的で、その女優は涙を流していました。
タレガも同じような心境で、楽想を思い描いていたのかもしれません。
「アルハンブラの思い出」には当初、「祈り」という副題があったともされています。

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