2011年04月27日


ムソルグスキー:組曲《展覧会の絵》から 9. バーバ・ヤガーの小屋 - 10. キエフの大門

展覧会の絵〜ライヴ・イン・ソフ
定価:¥ 1,200
発売日:1997-12-03
メーカー:マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
カテゴリー:CD
アーティスト:リヒテル(スビャトスラフ)
フォーマット:Limited Edition
時間:76(分)

♪リヒテルによって甦ったムソルグスキー自身の原典版

21歳の頃、それまで所属した騎兵連隊をやめ、音楽一筋に生きたムソルグスキーは、
裕福な実家の没落の後の、母の死というショックを紛らすために酒に溺れ始め、
元々丈夫ではなかった体を害するようになっていきました。
まだ20代にして兄の家に引き取られたり、グリンカの妹に世話になるなどしていました。

晩年は貧困と病苦にさいなまれ、有名な肖像画にあるように悲惨な状態でした。
そんなムソルグスキーに理解の手を差し伸べた友人が、画家で建築家のハルトマンでした。
ふたりは相通じあう仲でしたが、1837年の夏、ハルトマンがモスクワで急逝します。

「犬や馬やねずみが生きているのに、ハルトマンのような人が死ぬなんて!」

評論家のスターソフに宛てた手紙で、ムソルグスキーは悲痛な思いを綴っています。

ハルトマンの遺作の展覧会の作品から十点を選び、作曲された組曲「展覧会の絵」は、
ムソルグスキーの原典をリムスキー=コルサコフが改定したものがまず世に出ました。
当時としては型破りだった原典をコルサコフが理解できなかった、
また出版するには形を整える必要があると、判断したためとも言われています。

その後、ラヴェルによるオーケストラ編曲で広く知れ渡ることになり、
ホロヴィッツ編曲版などを経て、原典版が再び日の目を見たのは、
1958年に発売された、リヒテルのソフィアでのライヴ録音レコードによってです。

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この演奏はラヴェル編曲の洗練された印象を覆す衝撃的なもので、
ロシアの荒削りな土着臭の漂う、革新的なものでした。
これ以降、コルサコフ版は影を潜め、原典版が強い魅力を持った作品として、
ラヴェル編曲版と並行して、ピアノ独奏で演奏されるようになっていきました。

リヒテルはラヴェル編を「ムソルグスキーの音楽を理解していない」と評しました。
しかしラヴェル編には原典の可能性を、最大限に引き出している面もあります。
それぞれを独立した音楽として、楽しむのがいいのだと思います。

*テレビ朝日「ナニコレ珍百景」の音楽は 7:34 からです。





ムソルグスキー:組曲《展覧会の絵》から 9. バーバ・ヤガーの小屋 - 10. キエフの大門
Modest Petrovich Musorgskii:Pictures at an Exhibition
9. The Hut on Fowl's Legs (Baba-Yagá)
10. The Bogatyr Gates (in the Capital in Kiev)



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 02:48 | 器楽曲・Piano | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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