![]() | 新品最安価格:12%OFF ¥ 1,785 (4店出品) レビュー平均:
4.7点 (24人がレビュー投稿)
発売日:1997-08-06 メーカー:ポリドール クリエーター:フルトヴェングラー(ウィルヘルム)(指揮) | |||
♪圧政に立ち向かう英雄の姿を描いた名序曲
ベートーヴェンは生涯に11曲の序曲を残しています。
「コリオラン」「レオノーレ」「フィデリオ」などがよく知られるところですが、
とりわけ日本では卒業式でも用いられるほど浸透しているのが、
ゲーテの戯曲の劇付随音楽として書かれた「エグモント」序曲です。
エグモントは八十年戦争初期の指導者の一人である、
フランドルの軍人、政治家だったエフモント伯のことです。
ゲーテは彼の英雄的な生涯を、悲劇的な戯曲として描きました。
ゲーテとの交流があり、彼を敬愛したベートーヴェンはこの戯曲に感激します。
そして作曲の依頼を受け、1809年10月から1810年6月までに全曲を書き上げました。
ソプラノ独唱を伴う曲を含む10曲のうち、現在では序曲のみが残っています。
エフモント伯は16世紀スペイン圧政下のオランダで、
苦しむ民衆の独立のために立ち上がり、悲劇的な最期を遂げました。
死刑を宣告されてしまうエフモント伯ですが、獄中で自殺した愛人クレートヒェンが、
自由の女神として彼の前に現れ、勇気と正義を祝福します。
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これにより伯爵は自分の死は無駄ではないと確信し、敢然と死に向かいます。
ベートーヴェンはこの死を敗北ではなく勝利としてとらえました。
序曲は只ならぬ艱難で幕を開け、やがて主人公は悲劇に巻き込まれ、
それとの激しい闘いののちに希望の兆しが覗き、最後は大勝利に到ります。
今回の大震災にあたってお届けすべき音楽を考えた時、
やはり思い浮かんだのはベートーヴェンであり、「苦悩を突き抜けて歓喜へ」という、
彼の精神が凝縮された作品として「エグモント序曲」しかないと思いました。
この序曲は同じような内容を持つ、交響曲第5番「運命」の2年後に書かれました。
約5年前にすでに公開済みの楽曲ですが、今回のことを踏まえて、
あらためて、新たな思いで録音し直させていただきました。
今必要なのは逆境に打ち勝つ、ベートーヴェンの強いスピリットだと思います。

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