2011年03月16日


ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調 Op.130 第5楽章 「カヴァティーナ」

ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集
定価:¥ 6,300
5.0点 タカーチの最高傑作では!
5.0点 静かに!
5.0点 素晴らしい演奏
発売日:2004-12-22
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
アーティスト:タカーチ弦楽四重奏団

♪晩年のベートーヴェンが涙しながら書いた至高の旋律

「自分がこれまで作曲してきた中で、最も感動的な楽章」
こう語ったというベートーヴェンは、涙しながらこの音楽を作曲したと伝えられます。

第九以降の後期弦楽四重奏曲である、第13番の第5楽章「カヴァティーナ」は、
名旋律の多いベートーヴェンが書いた、最も美しいアダージョのひとつです。
これに比肩するのはおそらく、第九の第3楽章ぐらいでしょう。

「カヴァティーナ」でのベートーヴェンには、それまでのような闘いの姿はありません。
“苦悩を突き抜けて歓喜へ”といった激しい精神的な奮起や、
自分との闘いといった世界を越えた、別次元の心境を感じさせます。
交響曲では描いた理想や理念に徹したベートーヴェンですが、
ここでは自らの胸のうちを開いて見せているかのようです。

人生のすべてをあるがままに受け入れ、味わいかみ締めるような趣き。
そこには祈り、憧憬、希求、孤独、感謝、諦観といった矛盾するような様々な感情が、
不思議な統一感をもってひとつの音楽の中に集約されています。
苦難の多かったベートーヴェンが晩年にたどり着いた至高の境地です。

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フルトヴェングラーはこの楽章を自ら弦楽合奏用に編曲、録音しています。
第13番の最終楽章には元々、後に「大フーガ」となる作品が置かれていましたが、
フルトヴェングラーはこの曲においても、名演とされる録音を残しています。

「大フーガ」はあまりに長大だったため、出版社などが差し替えを促しました。
ベートーヴェンは珍しくそれを受け入れ、新たに軽いタッチの楽章を書きました。
しかしそれはあくまで対応策で、第13番の終楽章はやはり「大フーガ」です。
最近では第13番のあとに「大フーガ」を加える演奏も増えています。





ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調 Op.130 第5楽章 「カヴァティーナ」
L.V.Beethoven:Strings Quartet No.13 in B flat major, Op.130
5. Cavatina. Adagio molto espressivo



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 15:28 | 室内楽曲 (Chamber music) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする