ウラディミール・ホロヴィッツの芸術
posted with あまなつ on 2008.10.13
ホロヴィッツ(ウラディミール)
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル(2003-12-17)
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル(2003-12-17)
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♪マジョルカに降る雨を音で表現した名作
27歳のころです。持病の肺結核が思わしくなくなってきたショパンは、
医者のすすめもあって冬の間しばらく、温暖な場所で療養することになりました。
親しくなっていたジョルジュ・サンドの息子モーリスも、
急性リューマチにかかっていたので、ショパンとサンド親子は
共に地中海のマジョルカ島へと転地しました。
空気も澄んで風光明媚なマジョルカの自然に感激したショパンでしたが、
すぐにこの土地特有の雨期に悩まされるようになり、
また都会の暮らしになれたショパンやサンドにとって、
文化的施設の乏しいマジョルカでの生活は好ましいものではなくなっていきました。
ある日、気分がいいと出かけた先で嵐に会い、ショパンは
悪性の気管支炎を起こし喀血まで始まってしまいました。
これに驚いた家主は「すぐに出ていってくれ!」と迫ります。
しかたなくショパン一行はそこを離れ、やっとのことで僧院の一室にたどり着きました。
サンド親子が買い物に出かけたある日、
ショパンは石造りの僧院の部屋でひとり留守番をしながら、
椅子にもたれ窓辺を打つ雨音に耳を傾けていました。
するとふいに立ち上がり、ピアノに向かうと
聴いたことのない美しい曲を奏で始めました。
「前奏曲 第15番」、あまりにも有名な「雨だれ」です。
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左手が繰り返す打鍵のリズムは、まさしくぽたぽたと
落ちる雨の雫を表現しているかのようです。
それにのって流れるメロディーも、ショパンならではの優しく美しい響きをもっています。
ショパンは生涯に24曲の前奏曲を残していますが、その中のいくつかはこうして、
マジョルカ島でのサンドとの生活の中から生まれたのでした。

F.Chopin:Prelude No.15 in D flat Op.28 "Raindrops"
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