2010年07月19日


ストラヴィンスキー:バレエ音楽《春の祭典》 第1部 大地礼讃 2.春の兆し

ストラヴィンスキー:春の祭典
ブーレーズ(ピエール)
ユニバーサル ミュージック クラシック(2007-09-05)
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♪ロシア音楽界の巨星が生んだ現代音楽の古典

20世紀初頭のロシアに現れた音楽界の巨人ストラヴィンスキー。
“現代音楽の父”とも称される彼の音楽は斬新かつ先鋭的で、
それまでの音楽の概念を根底から覆す程に衝撃的なものでした。

親の意向で法律家を志し大学に入ったストラヴィンスキーでしたが、
幼い頃から続く音楽への思いは断ちきれず、父親の死を機に
法律家の道を捨て、本格的に音楽を志すようになります。
師事したのは管弦楽の大家、リムスキー=コルサコフでした。

その成果は師匠の死からほどなくして実を結ぶことになります。

稀代の興行師ディアギレフがストラヴィンスキーを知ったのは、
初演された新作「花火」を聴いた1908年のこと。
「花火」は元々、コルサコフの娘の結婚祝いに作曲された作品でした。

その才能を見抜いたディアギレフは、すぐさま新作バレエの音楽を依頼しました。
その時、28歳の無名の作曲家だったストラヴィンスキーを、一躍有名にした「火の鳥」です。

この作品の成功後、ディアギレフは「ぺトルーシュカ」「春の祭典」の2曲を、
バレエ用音楽として作曲することをストラヴィンスキーに依頼しました。
これらのバレエ音楽が今日に至るストラヴィンスキーの名声の柱になっています。

「春の祭典」は「火の鳥」作曲中にストラヴィンスキーが見た、
異教徒たちが若い娘を太陽神に捧げる儀式という幻影が元になっています。
サン=サーンス、ドビュッシー、ラヴェルなどの顔ぶれが揃った
1913年の春、パリのシャンゼリゼ劇場で行われた初演は、
音楽史上に刻まれる未曾有の大騒動を引き起こしました。

原始的で激しいリズム、交錯する複調の和音…。
演奏開始から客席はざわつき、やじや口笛で反感を表す者、
また反対に感激で拍手を鳴らす者と、双方が入り乱れ劇場は騒乱のるつぼと化したのです。


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しかし、ストラヴィンスキーを支持した指揮者ピエール・モントゥーは毅然と演奏を続け、
「とにかく最後まで聴いて下さい」と叫びつつ何とか舞台を終わらせたのです。

現代の私たちが聴いても刺激的でスリリングな作品です。
100年近くも前の人たちには、理解の範疇を越えたものであったとしても無理はないでしょう。
しかし「春の祭典」は今では揺るがぬ古典的名作であり、
時代を越えたストラヴィンスキーの才能は現代にも燦然と輝き続けているのです。


Igor Fyodorovitch Stravinsky:The Rite of Spring Part1 : 2.The Augurs of Spring
ストラヴィンスキー:バレエ音楽《春の祭典》 第1部 大地礼讃 2.春の兆し

*楽曲は作曲者の著作権が存続中のため、ストリーミング再生のみです。



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 10:18 | 管弦楽曲 (Orchestral) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする