ラヴェル:ボレロ、他posted with あまなつ on 2010.01.06クリュイタンス(アンドレ)
EMIミュージック・ジャパン(2007-12-26)おすすめ度の平均:全てにおいて、秀才的演奏
リクツも歴史もやめましょう!
その真価に改めて納得させられる
♪執拗なまでの反復が生み出す高揚と陶酔
管弦楽の魔術師によるオーケストレーションも見事な傑作…
ラヴェル作曲のボレロには、まずそんな肩書きが最初につきます。
2種類しかない旋律とそれを支えるスネアが刻む単調なリズムは、
約15分間に渡ってひたすら繰り返し演奏され続けます。
クラシックといえば普通、ひとつの主題を手を変え品を変え、
様々に変奏することでその作品の音楽世界を構築するものですが、
ボレロの場合あえてそれに対抗するかのように、
調性もハ長調のまま、旋律も一切変化を見せません。
しかしだからこそ、純粋にラヴェルのオーケストレーション能力に光が当たり、
楽器の組み合わせが生み出す効果を、これ以上なくくっきりと浮き彫りにしているのです。
これだけ単調な素材を飽きさせずに、一種の興奮さえ伴って聞かせる力は、
やはりラヴェルならではのものと言えるでしょう。
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一方でこの曲はそれぞれの楽器のソロパートも多く、
楽団員泣かせの作品とも言われています。
あのベルリンフィルでさえ、ある日の日本公演では
トロンボーンの頭の音がひっくり返ってしまったそうです。
何分間も音を出さずに待機して、いきなりソロを吹かされるのですから
その緊張たるや言うまでもありません。
しかしその緊張感やシンプルなリズムの執拗なまでの反復が一体となって、
この曲独特の高揚感や陶酔感を生み出しているのです。
*演奏そのものから改めた新録音です。
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