2010年10月14日


メンデルスゾーン:《真夏の夜の夢》 序曲 Op.21

メンデルスゾーン:真夏の夜の夢
レヴァイン(ジェイムズ)
ユニバーサル ミュージック クラシック(2007-02-28)
おすすめ度の平均: 5.0
5ドイツ・ロマン派の二大劇音楽のカップリング

♪若くして完成の域に達していた早熟の天才

古典的気風とロマン派的情緒を持つフェリックス・メンデルスゾーン。
当時押し寄せていたベルリオーズなどの濃厚な表現を避け、
あえて古典的で均整の取れた音楽性を保ち続けた作曲家でした。

名前のフェリックスには“幸福な児”という意味があります。
その名の通り彼の人生は順風満帆なものでした。

裕福な家庭に生まれ、早くから才能に恵まれ容姿も端麗。
あのゲーテからの寵愛も受け、
指揮者として作曲家として成功そのものの人生を送りました。

しかしユダヤ系の成功者として同業からの妬みが多く、
お坊ちゃまだった彼の繊細な気質は絶えず休まることがなかったといいます。
またナチスのユダヤ人排斥により、メンデルスゾーンの音楽は
ドイツでほとんど顧みられなかった時期もあります。

彼の音楽についてシューマンはこんなことを言っています。

「“真夏の夜の夢”の序曲ひとつでメンデルスゾーンは立派な作曲家である。
だから彼の他の作品は別の作曲家の名前をつけてもいいようなものだ。」

またある批評家のこんな名言があります。

「もしモーツァルトに幸福な生涯を与えたなら、
さぞかしメンデルスゾーンに似たことだろう。」

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わずか17歳で書き上げた“真夏の夜の夢”序曲には、
メンデルスゾーンの早熟で豊かな才能が詰まっています。
簡潔で無駄のない造りは既に完成の域に達していて、
まさに天才の名にふさわしいものです。

また“真夏の夜の夢”序曲にはこんな逸話もあります。
ロンドンで初演の帰り道、メンデルスゾーンは馬車に総譜を忘れてしまいます。
仕方なく書き直したスコアと、後に見つかったスコアを見比べると、
一音の違いもなく完璧にオリジナルを再現していたということです。






Felix Mendelssohn:"A Midsummer Night's Dream" Overture Op.21


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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 17:01 | 管弦楽曲 (Orchestral) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする