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2019年08月28日


リヒャルト・シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき Op.30 1. 導入部 [2019][AR] / Richard Strauss:Also sprach Zarathustra Op.30 1. Einleitung

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「ツァラトゥストラはかく語りき」は、ドイツの哲学者ニーチェの未完の哲学的詩作です。
主人公のツァラトゥストラはゾロアスター教の開祖とされるペルシャの伝説的人物。
彼は13歳で故郷を捨て山に入り、10年間の瞑想生活を過ごします。
そしてある朝、日の出と共に目覚め、太陽に悟りを得たことを告げるのです。

山を降りた彼は俗界に帰り、予言者として新たな思想を説き始めます。
自分の知恵を人間のおごりが謙虚になるまで、不満足が満足になるまで
分け与えたいと考えるこの主人公こそが、他ならぬニーチェ自身の象徴であり、
「ツァラトゥストラはかく語りき」は、ニーチェの哲学的思索の集大成とも言える作品なのです。

若い頃、ミュンヘンの大学で哲学を専攻し、ニーチェの思想に共鳴したシュトラウスは、
「ツァラトゥストラ」に感銘を受け、そこから得た霊感を元に1曲の管弦楽曲を書き上げました。
それが標題を「ツァラトゥストラはかく語りき」とした、作品30の交響詩です。

シュトラウスはスコアの冒頭に、ニーチェの原著から序文を掲げていますが、
この交響詩はニーチェの著作の音楽化を試みたのではなく、
シュトラウス自身の言葉によれば、「人類の発展の観念がその起源から様々な経過をたどり、
ニーチェの超人の観念に至るまでを音楽で表そうとした」作品です。
シュトラウスは標題に添えて「ニーチェに自由に従った」とも記しています。




この交響詩は導入部と8つの章で構成され、切れ目なく演奏されます。

1.Einleitung (導入部)
2.Von den Hinterweltlern (世界の背後を説く者について)
3.Von der großen sehnsucht (大いなる憧れについて)
4.Von den Freuden und Leidenschaften (喜びと情熱について)
5.Das Grablied (墓場の歌)
6.Von der Wissenschaft (学問について)
7.Der Genesende (病より癒え行く者)
8.Das Tanzlied (舞踏の歌)
9.Nachtwandlerlied (夜の流離い人の歌)

1896年の2月にミュンヘンで作曲が始まり、同年の8月24日に完成。
11月27日に、フランクフルトの博物館協会のコンサートにおいて、
シュトラウス自身の指揮によって初演され、大きな反響と反論を呼びました。

スタンリー・キューブリック監督の映画「2001年 宇宙の旅」では、
まだ未開の人類が初めて自我に目覚める場面で象徴的に使用されています。
これにより同曲は一躍、世界中にその名を知られる作品になりました。


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リヒャルト・シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき Op.30 1. 導入部 [2019][AR]
Richard Strauss:Also sprach Zarathustra Op.30 1. Einleitung [1:56]



Richard-Strauss-Also-sprach-Zarathustra-Einleitung-2019-AR.mp3



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2019年08月19日


ワーグナー:楽劇 《ニュルンベルクのマイスタージンガー》 第1幕への前奏曲 [2019][AR] / Richard Wagner:Die Meistersinger von Nuernberg Vorspiel act 1

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楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は、神話や架空の世界を舞台とする
壮大なスケールの他の多くのワーグナー作品とは違い、
中世ドイツのマイスタージンガーたちの実生活を題材とした、
ワーグナーとしては珍しくユーモラスで楽しい作品です。

作曲は1845年に着手され1867年に完成、翌年にミュンヘンで初演されました。
抒情的で美しい旋律の「懸賞の歌」は、劇中でも最も知られています。

14世紀ドイツには、職人たちの親方でありながら詩人、音楽家としても活動する
「マイスタージンガー」と呼ばれる存在が多くいました。
ことにニュルンベルク地方で盛んで、今もギルドの集会所などに面影を残しています。




第1幕への前奏曲は、ベートーヴェンの交響曲にも通じるような高貴さ、気高さを持ち、
オペラの前奏曲のみに留まらない、独立した作品として成立する力があります。

「ジュピター」「運命」「グレイト」「ブラ1」「ブル8」「死と変容」など、
ハ長調で肯定的に力強く集結する楽曲のひとつとして、特別な輝きを放っています。




ワーグナー:楽劇 《ニュルンベルクのマイスタージンガー》 第1幕への前奏曲 [2019][AR]
Richard Wagner:Die Meistersinger von Nuernberg Vorspiel act 1 [10:38]



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2019年08月15日


エルガー:愛のあいさつ Op.12 [2019][AR] / Edward Elgar:Salut d'amour Op.12

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あたたかく親しみやすい旋律で、エルガーの作品中でも特に愛される小品です。

妻としてエルガーを支えたキャロライン・アリス・ロバーツとの婚約記念に贈った曲で、
元はピアノとヴァイオリン用だったものを、ピアノ独奏用、小編成の管弦楽など、
エルガー自身が編曲を施した、いくつかの版が残されています。

タイトルはドイツ語を得意としたアリスのために「Liebesgruss」と名付けられましたが、
出版社からフランス語に変更を求められ、「Salut d'amour」になっています。

アリスはエルガーのピアノ、ヴァイオリンなどのレッスンの生徒で、8歳年長(当時39歳)でした。
宗教の違い、また身分格差から二人の結婚にはアリスの親族が反対しましたが、
それを押し切り1889年5月8日、エルガー32歳の時に二人は結ばれました。




結婚当初はまだ無名の音楽家に過ぎなかったエルガーは、その後に発表した『エニグマ変奏曲』や
行進曲『威風堂々』、ヴァイオリン協奏曲、チェロ協奏曲、2曲の交響曲などにより、
「サー」の称号を与えられる、英国を代表する大作曲家になっていきました。


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エルガー:愛のあいさつ Op.12 [2019][AR]
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2019年08月11日


エリック・サティ:ジュ・トゥ・ヴ [2019][AR] / Erik Satie:Je te veux

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作曲家としての地位を確立する前のサティは、生計を立てるためにカフェのピアニストを始め、
ミュージック・ホール、キャバレーのための歌や付随音楽の作曲家を約15年間続けていました。

この時代に作曲された多くの歌曲(シャンソン)の中でも、特に魅力的な旋律で、
今も広く愛され続けているのが1900年に作曲された「ジュ・トゥ・ヴ」です。

元々は歌曲集『ワルツと喫茶店の音楽』のうちの1曲とされていて、
アンリ・パコーリ作詞と伝えられる歌詞に作曲した歌とピアノのためのシャンソンです。

“スロー・ワルツの女王”と呼ばれた人気歌手ポーレット・ダルティのために書かれました。




歌詞には女性版と男性版があり、サティ自身によるピアノ独奏版は、
歌曲の形式に中間部(トリオ)が加わった複合3部形式になっています。


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2019年08月07日


ワーグナー:歌劇《ローエングリン》第1幕への前奏曲 [2019][AR] / Richard Wagner:"Lohengrin" Prelude to Act I

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「おそらくワーグナーの手による最も成功した、かつ最も霊感に満ちた作品」
チャイコフスキーが1871年に、この曲について評した言葉です。

楽曲全編に漂う神妙なインスピレーションは例えようがなく、
あたかも天界の神々の世界に通じるような宗教的な響きがあります。

またこの曲はチャップリンの1940年の映画「独裁者」で感動的に使われています。




ラストシーンでナチスの追っ手に見つかり、失意に伏した恋人ハンナたちに、
チャップリン扮するユダヤ人の床屋がラジオを通じて語りかけます。

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「ハンナ泣くのはおよし、ほら雲の切れ間から日が射して来たよ」

ここで前奏曲が絶望の世界に降り注ぐ、天界からの救いの光のように流れて来ます。
そして映画はまだ見ぬ希望を予感するかのように、
顔を上げ空に目を向けるハンナのアップで締めくくられています。

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チャップリンはヒットラーが愛したワーグナーの音楽をあえて使用することで、
この曲は戦争のためではなく、平和のために存在するのだと伝えたかったのかもしれません。


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ワーグナー:歌劇《ローエングリン》第1幕への前奏曲 [2019][AR]
Richard Wagner:"Lohengrin" Prelude to Act I [10:53]



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2019年08月02日


ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 Op.95 「新世界より」 第2楽章 [2019][AR] / AntonínDvořák:Symphony No.9 in E minor, Op.95 "From the New World" II: Largo

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第2楽章「ラルゴ (Largo)」には主題となる旋律に多くの歌詞が付けられ歌になっています。

中でもウィリアム・アームズ・フィッシャー(英語版)が1922年に作詞、編曲した
歌曲、合唱曲が人気で、「Goin' Home」(家路)のタイトルで広く知られ愛されています。

フィッシャーは「Goin' Home」の作詞にあたって、
黒人英語風の表記を用いるなど霊歌を思わせる演出も加えていました。

フィッシャーの歌詞における「home」は「家」ではなく、「故郷」という意味と、
キリスト教的な、死後に救済された魂が赴く場所としての
「天上の故郷」という意味が重ねられています。




「Goin' Home」は、1930年代には「家路」として日本に紹介されており、
以降、様々な日本語の歌詞がこの旋律に載せて作られました。
特に堀内敬三による「遠き山に日は落ちて」は、
戦後長く教科書に教材として採用され、愛唱歌とされるほど定着しています。


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ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 Op.95 「新世界より」 第2楽章 [2019][AR]
AntonínDvořák:Symphony No.9 in E minor, Op.95 "From the New World"
II: Largo [14:06]



Dvorak-Symphony-No.9-2nd-2019-AR.mp3



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