ブルックナーの音楽の全編に流れるのは、人として肉の身を纏い生きることの、
孤独、悲哀、絶望、痛み、苦しみ、嘆きです。
音楽に現れる主人公は、常に神に向かって救いを求め、絶叫しています。
そして彼が救いを見出すのは神羅万象の大宇宙、大自然界に対してであり、
また、自己の内なる仏性、内なる神によってなのです。
交響曲第8番のコーダには、そうしたひとりの人間の内的な精神の歩みの過程が、
短い中に凝縮されています。
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コーダに入っても、まだ無明の暗闇を彷徨う主人公。
しかし、瞑想、思惟の果てに、やがてかすかな光明が見え始め、
それは少しずつ確かな光源として輝きを増し、
ついには、泥沼を突き抜けて花を咲かせる蓮のように、
宇宙に向かって大光明の大輪の華を咲かせるのです。
ここへ来て、仏教もキリスト教も、ひとつとなり、人は内なる神との合一により、
己の真実の姿を実現し、揺らぐことのない不動の実体として、新たな人生を歩み始めるのです。
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ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 第4楽章 CODA [2018]
Anton Bruckner:Symphony No.8 in C minor
4. Finale. Feierlich nicht schnell (CODA) [3:51]
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http://classical.seesaa.net/Bruckner-Symphony-No8-4th-Coda-2018.mp3