2016年08月03日


スクリャービン:《3つの小品》から 練習曲 嬰ハ短調 Op.2-1


アルバムの綴り〜ロシア・ピアノ小品集
トロップ(ウラジーミル)
コロムビアミュージックエンタテインメント(1998-05-21)
おすすめ度の平均: 5.0
5小品を侮るなかれ!


♪神秘的な独自の音楽世界を築いた異色の作曲家

スクリャービンは19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍した、ロシア出身の作曲家、ピアニストです。
モスクワ音楽院では、同じピアノ学科のラフマニノフと主席の座を分け合うほどの腕前で、
1オクターブにも満たない手の大きさながら超絶的な技巧を見せていました。

しかし、過度の練習などにより右手を痛めてからは次第に作曲にも力を入れるようになり、
ピアノ曲を中心にその他、5つの交響曲などを残しました。

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スクリャービンを語る上で外せないのが神秘学への傾倒で、
特にプラバツキーの神智学から大きな影響を受けています。
その関連から、色光ピアノという音と色を連動させる装置を用いたり、
音楽に視覚や嗅覚までも取り入れた総合芸術の創作に熱意を傾けていました。

その成果は主に後期の交響曲や未完の神秘劇などに反映されています。




スクリャービン:《3つの小品》から 練習曲 嬰ハ短調 Op.2-1
Aleksandr Nikolayevich Skryabin:Etude C♯minor, Op.2-1


http://classical-music.aki.gs/Skryabin-Etude-C-Sharp-minor.mp3



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瀧廉太郎:荒城の月 (2016年1月1日よりパブリックドメイン)

早春賦~日本の愛唱歌
新品最安価格:52%OFF ¥ 500 (6店出品)
3.0点 知ってる曲が満載
発売日:2003-07-23
メーカー:コロムビアミュージックエンタテインメント
アーティスト:平野忠彦 塩田美奈子 鮫島有美子 市川倫子

♪時代を越えて愛唱される日本を象徴する歌曲

瀧廉太郎は明治日本の西洋音楽黎明期における代表的な音楽家の一人です。
日本人としては二人目となる、ヨーロッパ音楽留学生としてドイツに留学し、
文部省外国留学生として入学、ピアノや対位法などを学びました。

それまでの日本の唱歌は、外国の曲に日本語を無理にのせたものが主でしたが、
日本人によるオリジナルな歌曲を最も早く作り始めたひとりが瀧です。
また、1900年には日本人作曲家として初のピアノ独奏曲メヌエットを書いています。

外国人から見た日本の代表曲と言えば、「さくらさくら」と「荒城の月」だと言います。
最近では坂本九さんの「上を向いて歩こう」などもこのうちに入るようですが、
やはり古典的な名曲として、最初の二曲は現代でも不動のようです。


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「荒城の月」は1901年に行われた、旧制中学校唱歌の懸賞付きの募集に、
瀧廉太郎が作曲して応募、入選したことがきっかけとなって世に出ました。
作詞の土井晩翠は当時の影響力ある詩人にして英文学者でした。

まずは晩翠が宮城県仙台市の青葉城址、同じく福島県会津若松市の鶴ヶ城址、
また、当時、リンゴ狩りに訪れた際に立ち寄った岩手県二戸市の九戸城址を
イメージして詞を書き上げたとされ、後から瀧が大分県竹田市の岡城址、
同じく富山県富山市富山城を想って、詞に曲をつけたとされています。
ですからそれぞれの場所に「荒城の月」の歌碑が置かれています。

瀧によるオリジナルはロ短調のアカペラ曲でしたが、
後年、山田耕筰がピアノ伴奏を付ける際に、短三度上げてニ短調に移調し、
旋律の一音ずつを倍に伸ばして、8小節のところを16小節に改編しました。

さらに、「♪春高楼の花の宴〜」の“え”にあたる音からシャープが消え、
半音下げたナチュラルに変更されました。
耕筰が日本らしさを出すためにあえてそう変えたとか、
何度もの改訂の中で、自然に日本に馴染みの音階になっていったなど、
諸説が取り沙汰され、様々に推測されています。
今では瀧のオリジナルに直すべきという声も上がり始めているようです。

「荒城の月」の歌詞は時代を越えて同じ姿で輝き続ける月と、
栄枯盛衰の象徴でもある荒れた城を対比させることで、
この世の無常や儚さを表現しています。

奇しくも瀧廉太郎自身も留学先のドイツで肺結核を患い、
帰国後、故郷大分で療養するも完治せず、23歳の若さでこの世を去っています。
しかし廉太郎はいなくとも、こうして音楽は今も輝き続けています。
その姿はまさに時を越え、不変の光りを保つ夜空の月のようでもあります。


*ピアノ伴奏譜を書いた山田耕筰が、1965年に亡くなってから50年が経過し、
2015年12月に著作権保護期間が終了しました。
2016年1月1日よりパブリックドメインとなったため、ダウンロード及び素材使用可能な、
「フリー音楽素材」として再掲載しました。


瀧廉太郎:荒城の月
Taki, Rentaro:Kojyo no Tsuki
https://classical-sound.up.seesaa.net/Rentaro-Taki-Koujyo-no-Tsuki.mp3


瀧廉太郎:荒城の月 [KARAOKE]
Taki, Rentaro:Kojyo no Tsuki
/classical-sound.up.seesaa.net/Rentaro-Taki-Koujyo-no-Tsuki-KARAOKE.mp3



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山田耕筰:赤とんぼ (2016年1月1日よりパブリックドメイン)


UTAU(2枚組)
新品最安価格:17%OFF ¥ 2,900 (11店出品)
レビュー平均: 4.9点 (16人がレビュー投稿)
5.0点 ことばの間に感じられる深い余韻までが素晴らしい
5.0点 絶品
5.0点 「老けた」のかもしれないが、いいアルバムだと思う。
発売日:2010-11-10
メーカー:commmons
アーティスト:大貫妙子 & 坂本龍一


♪世代を越えて日本人に最も愛されている童謡

作詞:三木露風、作曲:山田耕筰による楽曲『赤とんぼ』(赤蜻蛉)は、
日本の代表的な童謡のひとつにして、日本人に最も愛されている唱歌です。

1921年(大正10年)、32歳の露風は北海道のトラピスト修道院にいました。
そこに講師として招かれ、文学を教えていたのです。
ある日の夕方、窓の外を見る露風の目に赤とんぼが写りました。

静かな空気と光の中、竿の先にじっととまっているその姿に、
露風は幼いころの自身の思い出を重ね、『赤とんぼ』の歌詞を書いたのです。


夕焼け、小焼の、赤とんぼ、
負われて見たのは、いつの日か。

山の畑の、桑の實を、
小籠に摘んだは、まぼろしか。

十五で姐やは、嫁に行き、
お里のたよりも、絶えはてた。

夕焼け、小焼の、赤とんぼ、
とまっているよ、竿の先。


幼い露風は子守娘に背負われ、山の夕焼けと赤とんぼを見ていました。
やがて娘は里へ帰り、嫁に行ったという出来事が、そのまま詞になっています。

そして『とまっているよ、竿の先。』には、実は裏の意味があるといいます。
トラピストで洗礼を受けた露風は、カトリックのクリスチャンでした。
ですから竿先の赤とんぼの姿を、十字架の形に重ねていたのです。

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親の離婚による母親との別れ、また慕っていた子守娘との別れという寂しさと、
それに対する救いと希望の念が、『赤とんぼ』には込められています。

この詞が発表された後の1927年(昭和2年)に、親友の山田耕筰が曲をつけ、
誕生した童謡『赤とんぼ』は、日本の歌百選に入る名歌になっていきました。
先日のNHK名曲アルバムのアンケートでも、「未来に残したい名曲」として、
日本の楽曲では最も人気を集めていました(2位 故郷、3位 荒城の月)。

茅ヶ崎に住んでいた耕筰が、東京行きの電車で作曲したということです。
彼の代表作にして、世界からも愛される日本の童謡になっています。


*作曲者である山田耕筰の没後50年が経過し、2015年12月に著作権保護期間が終了しました。
2016年1月1日よりパブリックドメインとなったため、ダウンロード及び素材使用可能な、
「フリー音楽素材」として再掲載しました。




山田耕筰:赤とんぼ
Yamada, Kosaku:Akatonbo


https://classical-sound.up.seesaa.net/image/Yamada-Kosaku-Akatonbo.mp3



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モーツァルト:交響曲 第40番 ト短調 K.550 第4楽章


モーツァルト:交響曲第25番&第40番
ワルター(ブルーノ)
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル(2004-11-17)
おすすめ度の平均: 4.5
5普遍的定番?
5永遠の名演
3意外と現代的な演奏だと感じました
5定番ですね
5すばらしい!!!!!


♪ト短調の交響曲第25番にも通じる疾走感

モーツァルトの大変な愛好家で知られるアインシュタインは、
この楽章の展開部の大胆な転調を「魂の深淵への墜落」と評しました。

モーツァルトの音楽は流れが自然なため、そうとは気づかせないものの、
実際は驚くばかりの革新的な試みも少なくありません。

"ディモーニッシュ"とも評されるそうした独特の展開は、
一見、華やかなモーツァルトの音楽の、強いスパイスにもなっています。

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革新性と言えば第40番と第41番の最後の二つの交響曲も突出しています。
その先進性や規模には、それまでの古典派の交響曲とは次元の違うものが感じられます。

後のロマン派の大交響曲時代への布石が、エッセンスとして凝縮されているかのようです。




モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 K.550 第4楽章
Wolfgang Amadeus Mozart:Symphony No.40 in G minor, K.550
4. Allegro assai


http://classical-music.sakura.ne.jp/Mozart-SymNo40-4.mp3



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