ブルックナー:交響曲第9番posted with あまなつ on 2016.05.15価格:ジュリーニ(カルロ・マリア)
ユニバーサル ミュージック クラシック(2011-11-01)
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♪人知を超越した神の大宇宙世界を描く異次元シンフォニー
オーストリアではバッハ、ベートーヴェンと共に3Bと称させるブルックナーは、
1800年代後半に活動した、後期ロマン派の代表的な交響曲作曲家です。
熱心なカトリック信者だった彼は、俗世との関係を求めず、
ひたすら神に祈りを捧げ、音楽一筋に生きる日々を過ごしていました。
部屋にはグランドピアノと聖書とマリア像ぐらいしかなかったといいます。
ブルックナーの音楽のテーマは悲喜交々の人間ドラマより、
神が創造した大宇宙の神羅万象へと視線が向けられていました。
そのため、一般的な音楽に比べ、難解で取っつきにくいと言われます。
しかし、一度その魅力に気づいてしまえば、二度と離れられなくなる音楽でもあります。
そうしたブルックナーの交響曲の中でも、一際孤高の存在感を示すのが第9番です。
第8と共に晩年の2大傑作とされていますが、第8にはまだ"人間"がいるのに対し、
第9にはもはや"人間"は存在せず、最初から終わりまで神の次元が描かれています。
それは人知を超えた大宇宙の運行であり、大自然神羅万象の営みです。
ブルックナーは第9番を通して、ただただ神の偉大さを仰ぎ見て称えています。
第8にはその前で佇むちっぽけな人間の姿がありますが、第9には最早それもありません。
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そしてこの交響曲は他でもない、愛する神さまに捧げられました。
人間不在の音楽に、合唱付きの第4楽章を置くことは端から叶わなかったのでしょう。
第9番の第4楽章の作曲中に、ブルックナーは愛する神のもとへと還ったのでした。*
*ブルックナーは死の前に、『もし第9番が未完に終わった場合、自作の合唱曲
「テ・デウム」を第4楽章として置くように』と指示していたとされています。
ブルックナー:交響曲 第9番 ニ短調 第1楽章
Bruckner:Symphony No. 9 in D minor
1. Feierlich, misterioso [28:37]
http://classical-music.aki.gs/Bruckner-Symphony-No9-1st-2016.mp3