♪優雅さと気品に満ちたフォーレのシシリエンヌ
シシリエンヌは17-18世紀のイタリア、シチリア半島の舞曲の名称が語源です。
シチリアーノ、シシリアーノ、シチリアーナ、シチリア舞曲などとも呼ばれ、
シシリエンヌはフォーレの出身のフランス語の読み名です。
6/8拍子、または8/12拍子のゆったりとした優雅なテンポが特徴で、
フォーレのほかにもバッハやヘンデル、レスピーギが作品を書いています。
いずれもよく知られた名曲揃いですが、フォーレのシシリエンヌは、
起伏の大きな旋律の美しさ、また特有の気品ある趣きから、
特に愛され、様々な器楽用にも編曲されています。
組曲「ペアレスとメリザンド」の弟3曲として管弦楽版がよく知られるこの曲、
元来はモリエールの喜歌劇「町人貴族」の劇音楽として作曲され、
それが1897年に、チェロとピアノのための作品として出版されました。
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さらに翌年の1898年に弟子のケクランが管弦楽版に編曲したものが、
「ペアレスとメリザンド」の劇付随音楽として挿入されたのです。
シシリエンヌは主人公の2人が愛を語らうシーンで演奏されます。
ケクランの編曲では主旋律がチェロからフルートに替えられています。
そしてピアノのパートを奏でるのはハープです。
これがあまりに見事にはまっているため、現代でも器楽で演奏する際は、
フルートが旋律を奏で、ピアノやハープが伴奏を担当するのが一般的です。
(ピアノ版記事から転載)
*今回は新掲載にあたって、演奏内容、音響、録音などすべてを改めました。
また以前の管弦楽版は中間部がありませんでしたが、それを補い完全版としました。
フォーレ:組曲「ペアレスとメリザンド」 Op.80 - 第3曲 シシリエンヌ [2015 完全版]
Gabriel Urbain Faure:Pelleas and Melisande Suite
3. Sicilienne [3:59]
https://classical-sound.up.seesaa.net/Faure-Sicilienne-2015.mp3