リスト:ピアノ曲全集 28 - ベートーヴェン:交響曲第9番(2台ピアノ編)
posted with あまなつ on 2014.12.30
価格:
ベートーヴェン
Naxos(2008-07-15)
売り上げランキング: 1465
Naxos(2008-07-15)
売り上げランキング: 1465
♪ベートーヴェンを敬愛し、ピアノ編曲にも力を注いだリスト
リストとベートーヴェンの関係の始まりは、リストがまだ12歳の少年だった頃に遡ります。
ハンガリーで天才ピアノ少年として名を馳せていたリストは、
わずか9歳ばかりにして、貴族たちから6年間の奨学金の申し出を受けるほどでした。
宮廷音楽団で合唱を歌ったり、チェロを弾くなど音楽好きだった父アダムは、
わが子リストの才能を伸ばすことに心血を注ぎました。
ですから、奨学金を受けるとすぐに、地元ライディングを引き払い、
音楽の都ウィーンへと、一家をあげて向かったのでした。
そこでリストは、ベートーヴェンの弟子で有能なピアノ教師である、
カール・ツェルニーにつき、本格的にピアノ奏法を学んだのでした。
我流だった演奏もめざましく上達し、教えるツェルニーを大変よろこばせました。
「こんなに才能があって、よく勉強する弟子は初めて」
と感激と共に書かれたものが残っています。
スポンサードリンク
ツェルニーはピアノのみならず、生活全般にわたってリスト一家の面倒をみました。
また、謝礼は一切受け取らず、ただ教えることによろこびを感じていたといいます。
こうしたツェルニーのあたたかい行為をリストは一生忘れず、恩人として敬愛しました。
ウィーンでの公演はデビュー以来、大成功が続き、ある日の公演に訪れた
ベートーヴェンは演奏が終わると、リストの額にキスをして褒めたといわれています。
これがまだ12歳のリスト少年と大家ベートーヴェンとの出会いでした。
それから幾年もの月日が流れ、自身も大音楽家となったリストは、
ベートーヴェンの音楽の偉大さを誰より理解し、尊敬する人間となっていました。
リストはピアノ・トランスクリプションとして、当時やそれ以前の作曲家たちの
優れた管弦楽作品などを、ピアノ編曲したものを多く残しています。
シューベルトからワーグナーまで、時代や作風は様々ですが、
中でも最も力を入れたのが、ベートーヴェンの九つの交響曲のピアノ編曲です。
トランスクリプションの場合、ただの編曲ではなく、ピアノだけで聴いても
遜色ないように音の補充などが行われ、ある意味新たな作曲と言える部分もあります。
もし、これを才能のない者が行えば、原曲の良さが損なわれるかもしれません。
その点、リストの場合、自身の才能の確かさ、そしてベートーヴェンに対する
理解や愛情の深さから、ピアノ作品としても充分に鑑賞に堪えうる内容になっています。
ベートーヴェンの壮大なオーケストラ作品を、ピアノだけで表現しようという、
強い意気込みと情熱が結晶化しています。
ベートーヴェンが亡くなった後、彼の故郷ボンに銅像を建てる上で、
資金の工面など、最も尽力を惜しまなかったのはリストその人でした。
ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 Op.125 第3楽章 [リスト編 2台ピアノ版]
L.V.Beethoven:Symphony No.9 in D minor Op.125
3. Adagio molto cantabile [15:18] (Arr. by Liszt)
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら