アダージョ・カラヤン・ベスト
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カラヤン(ヘルベルト・フォン)
ユニバーサル ミュージック クラシック (2002-09-25)
売り上げランキング: 6,632
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♪映画「ヴェニスに死す」でも知られるあまりに甘美な旋律
その甘く美しい旋律から、マーラーの作品中でも特に愛される「アダージェット」。
90年代に発売され、世界的な大ヒットとなったアルバム「アダージョカラヤン」では、
アダージョの名旋律を集めたコンピレーションCDのトップを飾っていました。
他に「カノン」や「G線上のアリア」などが納められたこのアルバムにあって、
マーラーの「アダージェット」は一際光彩を放つ、顔のような存在でした。
この楽章が広く知られるようになったのは、トーマス・マン原作の映画、
「ヴェニスに死す」のなかで使われたのがきっかけです。
原作の主人公は大作家であるのを、マーラーを思わせる大作曲家に
置き換えたことによって、「アダージェット」の魅力がより際立っています。
「アダージェット」が作曲された頃のマーラーは、ウィーンの有名な画家、
アントン・シントラーの娘アルマと熱烈な恋愛をしていました。
ふたりが結婚したのは1902年3月、マーラー41歳の春でした。
マーラーはこの甘美な第四楽章に、自らのアルマに対する想いを込めました。
それは痛切なまでに込み上げる情感を湛えた、音楽のラブレターです。
そしてこの楽章には、そうした恋愛の情を越えた、
もっと崇高な“祈り”にも似た心境さえ感じられます。
ひとりの女性に対するマーラーの深い想いが、
音楽によってそこまでに昇華されているのです。
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交響曲第5番は純粋な器楽曲です。
第2番、3番、4番と交響曲に続けて声楽を取り入れてきたマーラーでしたが、
四十代に入って改めて、古典的な構成への回帰をめざしました。
「通常の鋳型に入れ、どうしても必要でない限り、目新しいことは避けて」
と、マーラーは第五番の作曲について語っています。
そうした姿勢が最良の形で結実したのが、この第四楽章と言えるかもしれません。
マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調 第4楽章 「アダージェット」 [2014]
Gustav Mahler: Symphony No.5 in C Sharp minor
4. Adagietto [15:13]
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