2013年09月01日


ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68 第1楽章 [新録音2013]

ブラームス:交響曲第1番
5.0 別物!!
4.0 非常に魅力的な音質です!
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♪完成までに21年の歳月を費やした不滅の交響曲

クラシック音楽は不思議です。
時代は流れ、その間、音楽の流行りも次々と入れ替わっていけども、
クラシックの名曲とされる作品たちは、世の流れに関係なく、
人々に聴き継がれ、愛され、生活を潤し、生きる希望を与え続けているのです。

しかもそうした作曲家たちの主要な作品の数々は、
すでに大半の著作権が切れ、譜面(作品)自体は自由に扱うことができるのです。
よく考えると、これは驚くべきことです。

クラシックの主流は大きく分けて、イタリアとドイツ・オーストリアになると思います。
イタリアはヴィヴァルディのバロックに始まり、ヴェルディのオペラに極まりました。
ドイツでは音楽の父・J.S.バッハが、対位法などの音楽の基礎を形造り、
その後、古典派のベートーヴェン、後期ロマン派のブラームスを生み出しました。

J.S.バッハ、ベートーヴェン、ブラームス。
この3人が、言わずと知れた“ドイツ3大B”です。
そして、ベートーヴェンの後継者といわれたブラームスの作品の中でも、
一際、崇高な輝きを放ち続けるのが、作曲に21年の歳月を費やした交響曲第1番です。

ハンガリー舞曲や、ドイツレクイエムによって、すでに不動の地位を得ていたブラームスも、
こと、交響曲の作曲においては、慎重に慎重を期する周到さでした。
着手から8年後には、前の3つの楽章のスケッチはほぼできていたものの、
そこから最終楽章を完成させるまでに、更に13年という長い期間を要したのです。

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ブラームスはベートーヴェンを心から尊敬していました。
ですから、ベートーヴェンの作品の中でも特に重要とされる交響曲というジャンルにおいて、
恥ずかしいものを残すことは断じて許されなかったのです。
交響曲を作曲するのであれば、ベートーヴェンを超えなければ意味がない、
というのが、ブラームスの変わらぬ真情でした。

そんなブラームスが43歳にして、満を持して送り出したのが交響曲第1番なのです。
ベートーヴェンを意識し続けた結果、これ以上なくベートーヴェン的な音楽になりました。
旋律や和声などはたしかに後期ロマン派のブラームスのものですが、
古典的な外形や、何より精神性がベートーヴェンそのものです。

ハ短調の悲劇的な導入に始まり、やがてハ長調の完全な勝利に至るという経緯は、
ベートーヴェンの交響曲第5番《運命》と同じである上、第4楽章には、
どう聴いても第9の歓喜の歌を思わせる主要主題が登場します。
第三者であるブラームスがベートーヴェンらしさを追及した結果、
ベートーヴェン以上にベートーヴェンらしさが凝縮された作品…それが第1交響曲なのです。





ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68 第1楽章 [新録音2013] [13:22]
Johannes Brahms:Symphony No.1 in Cminor, Op.68
1. Un poco sostenuto - Allegro



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posted by CMSL クラシック名曲サウンドライブラリー at 16:48 | 交響曲 (Symphony) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする