ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
5.0 人類共有の至宝・ワルターの『田園』posted with あまなつ on 2013.08.23
5.0 「田園」と云えばこの一枚
5.0 叙情性・歌いっぷり・録音がそろい踏み
価格:
ワルター/コロンビア交響楽団
ソニーレコード(1999-01-20)
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♪音楽を通して表現された自然や神への感謝
耳の具合がわるくなり始めてからのベートーヴェンは、次第に人との交流を避け、
自然の中を散策することを、日々のよろこびとするようになっていきました。
ウィーン郊外のハイリゲンシュタットは、自然あふれる閑静な田園地帯。
ここに住居を借りて、ベートーヴェンは療養を兼ねて作曲に勤しんだのです。
朝は日が昇る頃に起きて作曲を始め、そのまま午後2時頃まで通して仕事をすると、
あとは外に出て散策を始め、夕方まで、時には夜中まで自然の中を歩いたといいます。
その様子を詩人グリルパルツァーはこんな詩に描いています。
男がひとり急ぎ足で歩いてゆく
影もいっしょについてゆく
藪を抜け 畑を過ぎ進んでゆく
小川に出会えば足を水にぬらして
歩み続ける
けわしい崖にうちあたると身構えて
ひと飛び無事に乗り越えた
ウィーンの森、ブドウ畑、ドナウ川の岸辺…。
こうしたところを散策しながら、自然からの霊感を受け、楽想を練ったのです。
この頃についてベートーヴェンは次のように記しています。
『全能の神よ!森の中で私は幸福である。ここでは樹々はすべて、御身の言葉を語る。
ああ神よ、なんたるこの荘厳さ!森の中、丘の上の、この静寂よ。
御身にかしずくためのこの静寂よ。』
また親しかったドロスティック男爵夫人には、こんな手紙を送っています。
『誰か、私より田園生活の好きな人がいるでしょうか?
色々な樹々や茂みは、私の心の疑問に答えてくれるようです。』
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交響曲第6番《田園》は、こうした日々の中から生まれました。
「田園の描写ではなく、感情の表現である」とされるこの交響曲には、
田園に接した者の心に映る、心象風景が描かれています。
そしてそれは同時に、変化する田園の姿を通して描かれた、
人生そのものの姿でもあるのです。
よろこび、平和、楽しさ、苦難、そして、感謝と希望。
並行して作曲された交響曲第5番《運命》とは、まったくタイプが違うようにみえて、
実はどちらもこうした人間の人生そのものが描かれた交響曲なのです。
初演は《運命》、《田園》ともに、1808年12月22日、アン・デア・ウィーン劇場で、
この時38歳であったベートーヴェン自身の指揮により行われました。
ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調 Op.68 「田園」 第5楽章 [新録音2013] [10:03]
(牧人の歌・嵐の後のよろこびと感謝)
Ludwig Van Beethoven: Symphony No.6 in F major, Op.68 "Pastorale"
5. Allegretto
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