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5.0点 名演とは・・・ 発売日:2008-12-10 メーカー:EMI MUSIC JAPAN(TO)(M) アーティスト:シャルル・ミュンシュ パリ管弦楽団 フォーマット:Limited Edition |
♪交響曲史上、最も壮大といわれるコーダ
4つのブラームスの交響曲の中で、最も愛され演奏される機会も多い作品です。
指揮者のハンス・フォン・ビューローが「ベートーヴェンの第10交響曲」と例えたことでも有名。
ビューローはその精神性がベートーヴェンに続くものという意味で言ったのです。
しかし、第4楽章主部の第1主題が、ベートーヴェン第9の歓喜の主題と似ていることから、
この部分ばかりが第1交響曲のエピソードとして、あげつらわれることがあります。
たしかに似ている…というよりまったく同じフレーズがあるほどですが、
これはブラームスが信奉するベートーヴェンへの敬意の念がそうさせたのだと思います。
発表当時にもやはり同じ件について批評が起こったのですが、これに対してブラームスは、
「凡人はとかく同じように聴きたがるものである」と、一笑に付したといいます。
ベートーヴェンへのオマージュとはいえ、れっきとしたオリジナルとの自負があったのでしょう。
ブラームスはベートーヴェンを尊敬するあまりに、「交響曲を作るならベートーヴェンに
匹敵しなければ意味がない」と、なかなか創作に手をつけようとせず、
最初に思い立ってから約20年後の43歳の時に、ようやく第1番の完成を見ました。
やっとベートーヴェンに並び立つことができたとの、手応えもあったはずです。
ところで、実際にベートーヴェンの第10交響曲のために用意されたという、
いくつかの断片的なスケッチが残されています(クーパー博士の断定も含む)。
中には弟子のシントラーによって、「第10交響曲へのスケルツォ」また、「第10交響曲への
アンダンテ(変イ調)」と書き込まれたスケッチもあり、総じて判断すると、変ホ長調の
アンダンテとハ短調のアレグロを、同一の楽章に置くという構想があったことがうかがえます。
この、ハ短調のアレグロが8分の6という拍子もあって、ブラームス第1番第1楽章の主部に、
驚くほど楽想の雰囲気が似ています。
また、シントラーの書き込みがあるハ短調のスケルツォも、拍子こそ違え、
やはり、ブラームス第1番第1楽章の主部に、どこか共通したものを感じさせます。
これらのスケッチが発見公開されたのは20世紀後半のこと。
ブラームスは19世紀の人ですから、このスケッチはおそらく知り得ないと思います。
にもかかわらず、どうして両者はここまで似ているのか?
私には歓喜の主題のことより、こちらの方が強く気になってしまいます。
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第1番はブラームスの交響曲にしては前向きで力強く、ビューローの言う通り、
むしろ「ベートーヴェンの第10交響曲」と言った方が収まりがいいぐらいです。
そこで私はどうしても、ベートーヴェンが生前にやり残した仕事を、
自らの後継者と呼ぶにふさわしいブラームスにインスピレーションを与え、
彼を通してやり遂げたのではと思ってしまうのです。
それほどに、あまりにベートーヴェン的な、ベートーヴェン的過ぎる交響曲です。
第1番の第4楽章のコーダは、交響曲史上、最も壮大であるともいわれています。
全曲を通してたどってきた変遷の結論が、この一点に集約されています。
それはベートーヴェンの「運命」にも示されたような、次元を超えた勝利です。
この曲は7年ほど前に公開していましたが、どうしてもコーダだけを改めたくなり、
以前のスローなテンポから一転、アップテンポで一気に駆け抜ける演奏にしました。
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68 第4楽章 [CODA] [2:28]
Johannes Brahms:Symphony No.1 in Cminor, Op.68
4. Adagio - Piu andante - Allegro non troppo, ma con brio [CODA]
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