2012年12月29日


チャイコフスキー:交響曲 第4番 ヘ短調 Op.36 第4楽章

チャイコフスキー:交響曲第4番、ロメオとジュリエット
定価:¥ 1,800
新品最安価格:12%OFF ¥ 1,572 (8店出品)
発売日:2011-05-11
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
クリエーター:カラヤン(ヘルベルト・フォン)(指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(演奏)
時間:65(分)

♪チャイコフスキー後期3大交響曲に数えられる名作

交響曲第4番作曲時のチャイコフスキーは、精神的窮地に立たされていました。
モスクワ音楽院での教え子アントニーナ・イヴァノブナ・ミリューコヴァと、
交際ひと月半ほどでスピード結婚したものの、わずか1ヵ月足らずで別居状態になり、
チャイコフスキーは精神的にも肉体的にも、大きなダメージを受けていました。

そして、交響曲第4番のオーケストレーション作業中だった1877年9月17日に、
彼は肺炎にかかって死のうと、自ら冷たいモスクワ川に入水したのです。
通行人に発見されて一命を取りとめたものの、2日間は生死の境を彷徨っていました。

病院を退院したチャイコフスキーは、スイス、ウィーン、ヴェネチアと旅に出かけ、
11月には中断していた交響曲第4番のオーケストレーションを再開。
12月26日、イタリアのサン・レモで全曲のオーケストレーションを完成させました。

チャイコフスキーが教職を離れ、こうして作曲活動に専念できたのは、
前年の暮れから始まったメック夫人の経済的援助という後ろ盾があったからです。
夫人は亡夫が経営した鉄道事業により莫大な遺産を所持し、
それを芸術家の支援にあてることを誇りとしていました。
このことに対する感謝の意を表して、本作はメック夫人に捧げられました。

第4番の初演直後に夫人に宛てた手紙でチャイコフスキーは、
譜例を添えてこの曲の楽章ごとの、細かな解説を書いています。
そして、全曲の結論とも言える第4楽章についてはこう語っています。

『自分の中に喜びを見出せないなら、他の人を見なさい。
民衆の中に入って行き、彼らが歓喜に身を任せて楽しんでいる様子をご覧なさい。
この楽章は人々がお祭りを楽しんでいるシーンです。

人々の歓喜に巻き込まれあなたが自分を忘れそうになった瞬間、
無慈悲な運命が再び現れてその存在を誇示し、あなたに注意を促します。
でも人々は、あなたの事に気づかず、孤独で悲しんでいても見向きもしません。
彼らは何と陽気に愉快に暮らしているのでしょうか?

この世は全てが悲しいなどと言わないことです。
他人の喜びを、共に享受しなさい。素朴だとしても、力強い歓喜は存在します。
それでこそ人は生きることができるのですから。』

また 弟子である作曲家タネーエフに向けてこうも説明しています。

『実際この曲は、ベートーヴェンの交響曲第5番に倣っています。
もちろん、その内容ではなく、基本的なアイデアにおいてです。』

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その言葉通り、運命を告げる第1楽章序奏部の悲痛なファンファーレに始まり、
各楽章で人生における様々な体験を追想した後に、
最終楽章ではまるでお祭り騒ぎのような、突き抜けた歓びに雪崩れ込んでいきます。
その熱狂はあたかもベートーヴェンの第9のコーダをも思い起こさせるほどです。

人生は色々あり、人それぞれに悩みや問題を抱えているとしても、
しばしそれらを脇に置いて、今生きている歓びに身を任せようと、
チャイコフスキーは私たちにメッセージしているのかもしれません。

__________________________________________________


…今年も一年お世話になりました。
そして、当ライブラリーにお付き合いいただき、心から感謝しています。
来年もよりよい音楽をお届けできるように励んでいきますので、
引き続きご愛顧のほど、どうぞよろしくお願い致します。

みなさま、一年間おつかれさまでした。
2013年がみなさまにとってよい一年になることを、心よりお祈りしています。

それではよいお年を!


2012.12.29 クラシック名曲サウンドライブラリー





チャイコフスキー:交響曲 第4番 ヘ短調 Op.36 第4楽章 [8:35]
Peter Ilyich Tchaikovsky:Symphony No.4 in F minor, Op.36
4. Finale: Allegro con fuoco



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2012年12月22日


ラフマニノフ:交響的舞曲 Op.45 第1楽章 [2台ピアノ版]

ラフマニノフ:2台のピアノのための組曲第1番・第2番
定価:¥ 1,050
新品最安価格:14%OFF ¥ 903 (5店出品)
5.0点 ラビノヴッチとのピアノ・デュオのはじまり
5.0点 情熱的かつ繊細
3.0点 良い演奏ですが…
発売日:2002-01-23
メーカー:ワーナーミュージック・ジャパン
アーティスト:ラビノヴィチ(アレクサンドル) アルゲリッチ(マルタ)

♪自身にとって集大成ともいえるラフマニノフの白鳥の歌

《交響的舞曲》は1940年に作曲された、ラフマニノフにとって最後の作品です。
この曲のプランが立ち上がったのは、遡ること25年前の1915年。
この時点でラフマニノフは新しいバレエ音楽の構想を持っていました。
そしてこの時にスケッチされたモチーフの数々が、後の完成時に活かされるのです。

本格的な作曲に先立って、まず2台ピアノのための版が8月10日に完成されました。
2台ピアノ版の初演はラフマニノフの自宅で開かれた私的な演奏会で、
作曲者自身とウラディミール・ホロヴィッツの共演により行われました。
この版には作品45aという作品番号が与えられています。

2台ピアノ版の完成後、ラフマニノフは指揮者のユージン・オーマンディに宛てた
8月21日付の手紙の中で、新しい交響的作品を作曲中であること、
そして完成後にそれをオーマンディと、当時オーマンディが音楽監督を務めていた
フィラデルフィア管弦楽団に献呈したい旨を述べていました。
この時点でラフマニノフは『幻想的舞曲集』として着想しており、
各楽章に「真昼」、「黄昏」、「夜中」という標題を付すことも構想していました。

9月22日に開始されたオーケストレーションは、5週間後に完成しました。
その間ラフマニノフは1日14時間もこの曲に取り組んでいたといわれます。
作品に自信を持ち、自身で“最高の作品”であると考えていた彼は、
この楽曲が早くバレエとして具体化することを心待ちにしていました。

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ラフマニノフはオーケストレーションの完成前にこの作品を、
振付師ミハイル・フォーキンにピアノで披露していました。
フォーキンは以前にも、ラフマニノフの『パガニーニの主題による狂詩曲』を、
バレエ化した舞踏家で、今回もフォーキンの振付けが構想されていたのです。
しかし、ふたりの間の交渉はうまく進まず、初演の翌年の1942年に
フォーキンが亡くなったため、この構想は実現には至りませんでした。

オーケストレーションは10月29日に完成し、各楽章の標題は破棄されて
3つの楽章からなる《交響的舞曲》として発表されました。
初演は1941年1月3日にユージン・オーマンディ指揮、フィラデルフィア管弦楽団に
よって行われ、好評を以て迎えられました。

しかし批評家の評価は芳しくなく、”古い手法の焼き直し”などと言われましたが、
緻密な構成力と高い技巧性から今日では、ラフマニノフの集大成ともされています。
こと第1楽章中間部(3:46)でサクソフォン(ここではピアノ)が奏でる旋律は、
ラフマニノフならではの哀愁と寂寥感を湛えています。

作曲者は楽譜の最後に自身の手で「主よ、あなたに感謝します」と記しました。
「何が起こったのか自分でもわからないが、多分これが私の最後の煌きになるだろう」
と述べた通りに、《交響的舞曲》はラフマニノフの白鳥の歌となったのでした。





ラフマニノフ:交響的舞曲 Op.45 第1楽章 [2台ピアノ版] [11:49]
Sergei Vasil'evich Rachmaninov:Symphonic Dances Op.45
1. Non allegro [2 Pianos]



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2012年12月14日


ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 Op.125 『合唱』 第4楽章 [KARAOKE]

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
5.0点 バーンスタインのベートーベン交響曲
5.0点 天国に連れて行ってもらった。
5.0点 やはり味わい深い第3楽章
発売日:2012-05-09
メーカー:ユニバーサル ミュージック クラシック
アーティスト:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 バーンスタイン(レナード) ジョーンズ(ギネス) シュヴァルツ(ハンナ) コロ(ルネ) モル(クルト) ウィーン国立歌劇場合唱連盟

♪作曲家が人生をかけた時を超えるメッセージ

歓喜に寄せて

おお友よ、このような音ではない!
我々はもっと心地よい
もっと歓喜に満ち溢れる歌を歌おうではないか
(ベートーヴェン作詞)

歓喜よ、神々の麗しき霊感よ
天上の楽園の乙女よ
我々は火のように酔いしれて
崇高な汝(歓喜)の聖所に入る

汝が魔力は再び結び合わせる
時流が強く切り離したものを
すべての人々は兄弟となる
汝の柔らかな翼が留まる所で

ひとりの友の友となるという
大きな成功を勝ち取った者
心優しき妻を得た者は
彼の歓声に声を合わせよ

そうだ、地上にただ一人だけでも
心を分かち合う魂があると言える者も歓呼せよ
そしてそれがどうしてもできなかった者は
この輪から泣く泣く立ち去るがよい

すべての被造物は
創造主の乳房から歓喜を飲み、
すべての善人とすべての悪人は
創造主の薔薇の踏み跡をたどる

口づけと葡萄酒と死の試練を受けた友を
創造主は我々に与えた
快楽は虫けらのような弱い人間にも与えられ
智天使ケルビムは神の御前に立つ

天の星々がきらびやかな天空を
飛びゆくように、楽しげに
兄弟たちよ、自らの道を進め
英雄のように喜ばしく勝利を目指せ

抱擁を受けよ、諸人(もろびと)よ!
この口づけを全世界に!
兄弟よ、この星空の上に
ひとりの父なる神が住んでおられるに違いない

諸人よ、ひざまずいたか
世界よ、創造主を予感するか
星空の彼方に神を求めよ
星々の上に、神は必ず住みたもう

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An die Freude

O Freunde, nicht diese Töne!
Sondern laßt uns angenehmere anstimmen,
und freudenvollere.
Freude! (men's chorus: Freude! )
Freude! (chorus again: Freude! )
(ベートーヴェン作詞)

Freude, schöner Götterfunken,
Tochter aus Elysium
Wir betreten feuertrunken.
Himmlische, dein Heiligtum!

Deine Zauber binden wieder,
Was die Mode streng geteilt;
Alle Menschen werden Brüder,
Wo dein sanfter Flügel weilt.

Wem der große Wurf gelungen,
Eines Freundes Freund zu sein,
Wer ein holdes Weib errungen,
Mische seinen Jubel ein!

Ja, wer auch nur eine Seele
Sein nennt auf dem Erdenrund!
Und wer's nie gekonnt, der stehle
Weinend sich aus diesem Bund!

Freude trinken alle Wesen
An den Brüsten der Natur;
Alle Guten, alle Bösen
Folgen ihrer Rosenspur.

Küsse gab sie uns und Reben,
Einen Freund, geprüft im Tod;
Wollust ward dem Wurm gegeben,
und der Cherub steht vor Gott.

Froh, wie seine Sonnen fliegen
Durch des Himmels prächt'gen Plan,
Laufet, Brüder, eure Bahn,
Freudig, wie ein Held zum Siegen.

Seid umschlungen, Millionen!
Diesen Kuß der ganzen Welt!
Brüder, über'm Sternenzelt
Muß ein lieber Vater wohnen.

Ihr stürzt nieder, Millionen?
Ahnest du den Schöpfer, Welt?
Such' ihn über'm Sternenzelt!
Über Sternen muß er wohnen.

(Finale repeats the words:)
Seid umschlungen, Millionen!
Diesen Kuß der ganzen Welt!
Brüder, über'm Sternenzelt
Muss ein lieber Vater wohnen.

Seid umschlungen,
Diesen Kuß der ganzen Welt!
Freude, schöner Götterfunken
Tochter aus Elysium,
Freude, schöner Götterfunken
Götterfunken!





今回は特別篇です。
今や日本の年末に欠かせない風物詩となったベートーヴェンの『第九』。
ニュースなどで市民が歌ったり、練習している様子を見るにつけ、
この曲の自由に使えるカラオケがあれば便利だと思いました。

そこで今回は『第九』のカラオケです。
歌いやすいようにテンポは極力動かさず、一定を保つようにしました。
また、わかり辛いところには、テンポのガイド音を挿入しました。

地域で職場で学校で、どうぞご自由にお使いください。

*テンポのガイド音なしの楽曲ファイルも追加しました。


ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 Op.125 『合唱』 第4楽章
Ludwig van Beethoven:Symphony No.9 in D minor, Op.125 "Choral"
4. Presto; Allegro molto assai (Alla marcia);
Andante maestoso; Allegro energico, sempre ben marcato.

[KARAOKE ガイド音付き]

[KARAOKE ガイド音なし]



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2012年12月11日


ラフマニノフ:幻想的小品集 Op.3 第1曲 エレジー(悲歌)

ラフマニノフ・プレイズ・ラフマニノフ
定価:¥ 3,059
中古最安価格:¥ 6,999 (3店出品)
5.0点 最上の演奏、そして復刻
5.0点 極上のラフマニノフ
4.0点 正直、微妙
発売日:1999-02-01
メーカー:マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
アーティスト:ラフマニノフ(セルゲイ)

♪ラフマニノフならではの感傷的な旋律を持つピアノ小品

ラフマニノフの父母はともに裕福な貴族の家系の出身でした。
父方の祖父はノクターンの創始者として知られる英国のピアニストで作曲家の、
ジョン・フィールドに師事したこともあるアマチュアのピアニスト。
母方の祖父は著名な軍人でした。

父ヴァシーリイは音楽に素養があり、子供たちにピアノを弾いては聴かせていました。
ラフマニノフが後に作曲した『V.R.のポルカ』は、父が演奏した曲が元になっています。

こうした恵まれた環境に生まれ育ったラフマニノフでしたが、
家は徐々に没落し始め、9歳の時ついに一家は破産。
オネグの所領は競売にかけられ、ペテルブルクへの移住を余儀なくされました。

しかし音楽の才能を認められた彼は、奨学金を得てペテルブルク音楽院に入学し、
やがてモスクワ音楽院に転入して、ニコライ・ズヴェーレフにピアノを学びました。
ズヴェーレフ邸を訪れた多くの著名な音楽家たちのひとり、チャイコフスキーは、
ラフマニノフの才能を認め、特に目をかけていました。
またラフマニノフもチャイコフスキーを崇拝し、その芸術を理想としました。

幻想的小品集はラフマニノフがモスクワ音楽院を卒業した翌年1892年の作品で、
第2曲『前奏曲 嬰ハ短調 《鐘》』は、彼の名を一躍知らしめた初期の名作です。
『エレジー(悲歌) 変ホ短調』はそのひとつ前、小品集の第1曲として置かれています。

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幻想的小品集はラフマニノフがまだ19歳の頃の作品ですが、
『エレジー』にはすでに、後に続く彼の作風が形として示されているのがわかります。
またこの曲には作曲者自身のピアノロール録音も残されていて、
CDなどを通してその再現演奏に触れることが可能です。
自身の演奏は流れるような速めのテンポが特徴的です。

モスクワ音楽院でのラフマニノフは、アントン・アレンスキーに和声を、
セルゲイ・タネーエフに対位法を学んでいますが、
幻想的小品集は師であるアレンスキーに献呈されています。





ラフマニノフ:幻想的小品集 Op.3 第1曲 エレジー(悲歌)
Sergei Vasil'evich Rachmaninov:Morceaux de fantaisie Op.3
1. Elegie in E-flat minor



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2012年12月05日


ショパン:エチュード第24番 ハ短調 Op.25-12 《大洋》

ショパン:練習曲集(全27曲)
定価:¥ 1,800
新品最安価格:12%OFF ¥ 1,572 (8店出品)
4.0点 いろんな意味で
5.0点 すばらしいショパン
5.0点 最高やね
発売日:2009-05-20
メーカー:ユニバーサルクラシック
アーティスト:アシュケナージ(ヴラディーミル)

♪24の練習曲の最後を飾る力強い作品

エチュード第24番『大洋』は、作品25の12曲を締めくくる堂々たる名曲です。
有名な作品10の終曲『革命』のエチュードと同じハ短調ですが、
その内容や訴えてくるものの大きさにおいて、『革命』をも凌駕しています。

『大洋』が作曲された1835年のショパンは、10月にパリに帰る途上で倒れ、
吐血するほどの決して軽くはない病状に苦しんでいました。
1835年から1836年にかけての冬には、ショパンの病状は特に悪化しました。

部屋に閉じこもり、姿を見せないこともあり、1835年12月の最初には、
ショパンが重体という噂が流れ、クリスマスにそれは「死に掛け」に変わり、
ついにはワルシャワでは、ショパンは死んだとまで囁かれるほどでした。

『大洋』に描かれる重苦しさは、こうした苦境の反映とも受け取れます。
その姿は苦しさにのた打ち回りながらも、何かをつかもうとしているかのようです。
しかし楽曲中には時折り、ハ長調-変イ長調の穏やかな部分が顔をのぞかせます。

ショパンはパリへ帰る途中のドレスデンで、ワルシャワ時代に親交のあった
ポーランド人貴族のヴォジンスキ伯爵一家に会っていますが、
ここで5年前にポーランドで顔見知りだった娘のマリアに再会しています。

16歳になったマリアは知的で芸術の才に優れる、魅力的な女性になっていました。
ショパンはそんなマリアに恋してしまい、翌1836年の9月にはドレスデンに戻ると
すぐに彼女にプロポーズ、彼女もまた求婚を受け入れたのです。

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結局この結婚はマリアがまだ若かったことや、ショパンの病状から無期限延期、
そして最後には完全な破談となってしまうのですが、
闘病の最中、たとえ一時でも愛するマリアの存在が、
彼にとって救いになったであろうことは想像に難くありません。
『大洋』の穏やかさにはこうしたマリアの影響があったとも考えられるのです。

しかし、全体としてのハ長調のスケールの大きな終結からは、
もっと大きな生きることそのものへの希望、決心が感じられます。
ハ短調からハ長調といえば、ベートーヴェンの『運命』を思い起こしますが、
ショパンも少なからずそうした強い心を、この曲に込めたのかもしれません。





ショパン:エチュード第24番 ハ短調 Op.25-12 《大洋》
Frederic Chopin: Etude No.24 in C minor, Op.25-12 "Ocean"



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