2012年09月29日


モーツァルト:踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ KV.165 3. アレルヤ

エクスルターテ・ユビラーテ/モーツァルト:モテット集
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♪聖母マリアを讃える喜びあふれるモテット

モテットの元来の意味は12世紀から近代の教会合唱音楽のことですが、
その後意味合いは多様化し、独唱曲、器楽またはオーケストラ伴奏曲、
そして世俗的なものなど定義が難しくなっています。
ですからひとくちにモテットと表記する場合は、
概ねミサ曲以外の宗教的な声楽曲全般を指しています。

モーツァルトのモテットではレクイエムの頃の最晩年の傑作、
アヴェ・ヴェルム・コルプス」と十代の若き日の名作、「エクスルターテ・ユビラーテ
(踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ)」の2曲がよく知られています。

後者は1773年、モーツァルトが17歳の時の作品。
前年の秋からモーツァルトは三度目のイタリア旅行に出向き、
ミラノで彼の音楽劇「ルチオ・シルラ」の主役を歌った歌手、
ラウツィーニから楽曲の提供を依頼されました。
ラウツィーニは当時持て囃されたカストラート(去勢の男性歌手)でした。

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こうして完成したモテットは聖母マリアを讃えるラテン語の歌詞を持ち、
ソプラノ独唱とオーケストラの編成で書かれています。
宗教曲ではあるものの、独唱と管弦楽の協奏曲とも言える内容で、
コロラトゥーラ的な技巧を発揮する見せ場も用意されています。
ですからミラノの教会で行われた初演では、ラウツィーニが独唱を務めました。

このモテットで最も有名なのは、第3楽章のアレルヤです。
映画「オーケストラの少女」で主演のディアナ・ダービンがうたってから、
日本でも広く知られるようになり、単独でもよくうたわれています。





モーツァルト:エクスルターテ・ユビラーテ〜踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ KV.165
Wolfgang Amadeus Mozart:Exsultate, Jubilate KV.165 (158a)
3. Allegro

3. Allegro (KARAOKE)



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2012年09月25日


モーツァルト:戴冠式ミサ ハ長調 K.317 6. アニュス・デイ(平和の讃歌)

モーツァルト:戴冠式ミサ[教皇ヨハネ・パウロ2世により挙行された荘厳ミサ]
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アーティスト:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 カラヤン(ヘルベルト・フォン) システィナ礼拝堂合唱団 ウィーン楽友協会合唱団 教皇庁立教会音楽学院聖歌隊 シュミット(トゥルデリーゼ) バトル(キャスリーン)

♪ザルツブルク時代に作曲された最も知られるモーツァルトのミサ曲

未完を含めて20曲になるモーツァルトのミサ曲中、最も有名な作品です。
モーツァルトの教会音楽は前半生のザルツブルク時代に作曲が集中しています。
彼が仕えたザルツブルクの宮廷が、聖職者である大司教のものであったため、
教会音楽の需要が多くなるのは自然のことだったと考えられます。

1777年9月に職を求めて母親と共にマンハイム~パリに旅立ったモーツァルト。
しかし求職活動は実らなかった上に、パリでは母親を亡くしてしまいます。
結局1779年1月に憔悴のうちに帰郷したモーツァルトは、1780年11月にオペラ
『イドメネオ』の初演でミュンヘンに旅に出るまでの2年間をザルツブルクで過ごし、
この間にミサ曲とヴェスペレ(晩課)を作曲しています。
戴冠ミサ曲ハ長調はそれらの楽曲の中で最初に書かれた作品です。

完成は1779年3月23日で、同年の復活祭の祝日(4月4日)に、
ザルツブルク、聖シュテファン大聖堂での復活祭のミサで初演されました。
当時としては大規模な楽器編成で、華やかな祝祭的趣きがあります。
しかし楽曲の造りは無駄がなく、演奏時間は30分以内に纏められています。
これは大司教が長くないミサ曲を好んだことが影響しているとみられます。

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戴冠ミサは長らくザルツブルク郊外にあるマリア・プライン教会の、
年中行事である聖母像の戴冠式のために、作曲されたといわれてきました。
しかし、実際に聖母像の戴冠式が行われたのが1779年6月であるのに対し、
初演は4月に行われていたなど、現在ではその説に疑問が持たれています。

ではなぜ戴冠式の名がついたかといえば、1791年にプラハで行なわれた、
レオポルト2世の戴冠式でサリエリが指揮して以後に定着したとされています。
楽曲は全6章からなり、基本はミサ曲の形式を踏襲していますが、
モーツァルトは第4曲「サンクトゥス」と第6曲「アニュス・デイ」の間に、
第5曲「ベネディクトゥス」を独立した章として入れた構成をとっています。

マンハイム~パリの旅行がもたらした人間として、また音楽家としての成長が
作品の構成力や奥行きに格段の進歩をあたえている他、
まるでオペラのような魅力的な旋律が随所に登場するのが特徴です。
事実、第1曲「キリエ」の旋律はオペラ「コシ・ファン・トゥッテ」に再利用され、
第6曲「アニュス・デイ」前半でソプラノがソロで歌う美しい旋律は、
1786年のオペラ「フィガロの結婚」第3幕で伯爵夫人が歌う
アリア「楽しい思い出はどこに」として再び使用されています。
こうした親しみやすさが、多くのモーツァルトのミサ曲にあって、
戴冠ミサだけが繰り返し演奏される理由のひとつといえるかもしれません。

尚、フルオーケストラに近い楽器編成のこの作品ですが、
弦楽5部の中でなぜかヴィオラだけが扱われていません。
モーツァルトの木管楽器ではいくつかのパートが欠けることはありますが、
ヴィオラという弦の重要なパートが抜ける例はあまりありません。
これは当時のザルツブルクでは、ヴィオラを欠いた弦楽4部の編成が
一般的なオーケストラのスタイルであったためともいわれています。





モーツァルト:戴冠式ミサ ハ長調 K.317 6. アニュス・デイ(平和の讃歌)
Wolfgang Amadeus Mozart:Coronation Mass in C major, KV 317
6. Agnus Dei

6. Agnus Dei (KARAOKE)



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2012年09月19日


モーツァルト:セレナーデ第9番 ニ長調 K.320 「ポストホルン」 第6楽章

モーツァルト:アイネ・クライネ、ポストホルン
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5.0点 ベーム翁らしい生真面目さが嬉しい。
5.0点 巨匠最晩年の音楽への愛に満ちている。
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アーティスト:ウィーン・フィルハーモニー ベーム(カール)

♪郵便馬車のポストホルンを取り入れた壮麗なセレナーデ

鉄道の無かったモーツァルトの時代の交通手段と言えば馬車です。
幼い頃からヨーロッパ各地を演奏旅行で周ったモーツァルトは、
もちろん馬車を移動に使い、多くの時間を馬車と共に過ごしました。

当時の馬車は郵便物を乗せ、郵便馬車としての役割も果たしていました。
この馬車が発車到着の合図に鳴らしていたのがポストホルンです。
バルブを持たず菅を巻き込んだだけのシンプルな楽器で、
角笛の進化形にしてコルネットの前身とも言えます。
バルブがありませんから自然倍音の三つの音(ドミソ)を駆使して演奏します。

セレナーデ第9番の第6楽章では、モーツァルトが旅の途上で何度も耳にしたであろう、
ポストホルンのフレーズが、中間部の第2トリオ(3:20)で登場します。
「ポストホルン」セレナーデの愛称はここに由来しています。

作曲時のモーツァルトは生まれ故郷のザルツブルクに帰り、
それまでの演奏旅行で得た成果を活かし創作に励んでいました。
しかし時の大司教に対して良い感情を持っていなかったモーツァルトは、
彼から離れてザルツブルクを立ちたいと思っていたようです。

作曲にあたってはそんな願いが出発を示すポストホルンに反映されたとか、
ザルツブルクを去る知人への思いをポストホルンの音に託したなど、
推測による諸説はあるものの、どれも定かではありません。

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第9番はセレナーデとしては楽器編成の規模が大きい立派な管弦楽作品です。
そのためモーツァルトはここから第1,5,7楽章を抜き出して、
新たに交響曲ニ長調として改編も試みています。
また現代でもロジャー・ノリントンなどの指揮者が第1,5,6,7楽章を抜き出し、
全4楽章の交響曲として演奏会で取り上げることがあります。

第6楽章の第1トリオ(1:13)にはフラウティーノという楽器の指定があります。
これはバロック時代にも存在したソプラニーノリコーダーとも呼ばれる楽器です。
(ヴィヴァルディはフラウティーノのための協奏曲を書いています)
しかし指定はあるものの、譜面のそのパートは空白になっています。
そこで演奏会では空白のまま、弦楽器のみが旋律を奏でたり、
弦楽器より高いオクターブで、ピッコロやリコーダーが同じ旋律を奏でたりします。
今回の配信では弦楽器のみの形をとっています。





モーツァルト:セレナーデ第9番 ニ長調 K.320 「ポストホルン」 第6楽章 [5:41]
Wolfgang Amadeus Mozart:Serenade for Orchestra No.9 in D major K. 320
Posthorn 6. Minuetto - Trio 1 & 2



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2012年09月06日


J.S.バッハ:カンタータ 第146番 1. シンフォニア BWV.146

バッハ:カンタータ全集(8)
中古最安価格:19%OFF ¥ 7,600 (3店出品)
4.0点 あの名手も参加しています。
4.0点 この巻の聴きどころ
発売日:2001-06-20
メーカー:ワーナーミュージック・ジャパン
クリエーター:アーノンクール(ニコラウス)(指揮) レオンハルト(グスタフ)(指揮) ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(演奏) レオンハルト合奏団(演奏)
時間:403(分)

♪チェンバロ協奏曲を用いた荘厳なシンフォニア

カンターター交声曲には、大きく分けて二種類の形態があります。
ひとつはルーテル派の礼拝の説教の前後に演奏された教会カンタータ。
これはその日に朗読する聖書の部分を歌詞で説明しています。

もうひとつは世俗カンタータと呼ばれる宗教とは無関係のもの。
これは主に領主や貴族の慶事の際に演奏されていました。
バッハで有名なものにコーヒーカンタータなどがあります。

しかしバッハに限って言えば、その作曲数の差は歴然としていて、
教会カンタータが二百曲以上に対して、世俗は二十曲程度です。
これにはバッハが長年、教会のオルガニストとして音楽を作り、
演奏も指導していたことが、大きく影響しているのは間違いありません。
また、バッハ自身が大変信仰に厚い人物だったことも、もちろん理由のひとつです。

二百に上る教会カンタータの内、百七十曲近くの作品が、
1723年以降のライプツィヒ時代に書かれていると言われています。
「目覚めよと呼ぶ声あり」のコラール「シオンは物見らが歌うのを聴く」や、
主よ、人の望みの喜びよ」を含むBWV147なども、
皆こうした多くの教会カンタータの中の一作品です。

BWV146にはある事実が潜んでいます。
それは第1曲と第2曲が、自身のチェンバロ協奏曲からの引用だということです。
チェンバロがオルガンに差し替えられ(オルガンはおそらくバッハ自身が演奏)、
第2曲にはカンタータらしく合唱が加えられています。
どちらがいいとは一概には言えませんが、
カンタータの方が奥行きや荘厳さが増しているようにも感じます。
バッハが引用したのも、そうした狙いがあったからかもしれません。

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ところで最近、日本のロックバンド、サカナクションの、
「バッハの旋律を夜に聴いたせいなんです。」という楽曲が、
YouTube動画などでも大変話題になっています。
ここで言う“バッハの旋律”とはどの曲なのか?についてですが、
歌詞にはチェロというワードがあるので、
これは無伴奏チェロ組曲などを想起させます。

そしてもうひとつの手がかりとして、1コーラスの終了後に、
チェンバロ(ピアノ)協奏曲第1番第1楽章のカデンツァが、
ピアノソロによって奏でられる場面があります。
実際のところどうなのかは不明ですが、サカナクションのファンの方は、
そのあたりにも想いを馳せて聴かれると、より面白いかもしれません。
尚、そのカデンツァは今回のシンフォニアの4:08頃にも登場します。





J.S.バッハ:カンタータ 第146番 1. シンフォニア BWV.146
J.S.Bach:Cantata No.146 Wir mussen durch viel Trubsal, BWV 146
1. Sinfonia



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