2012年08月31日


スーザ:行進曲 ワシントンポスト

星条旗よ永遠なれ 〜スーザ : マーチ名曲集
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4.0点 スーザのマーチ集
5.0点 ブラスバンド
5.0点 行進曲の名人、スーザの名曲25
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メーカー:ワーナーミュージック・ジャパン
アーティスト:グレナディア・ガーズ・バンド

♪アメリカの新聞社ワシントン・ポストの依頼で作曲された行進曲

「ワシントン・ポスト」はアメリカのマーチ王スーザの代表的な行進曲。
星条旗よ永遠に」などと共に最も広く知られるスーザの作品のひとつです。

1889年、アメリカの新聞ワシントン・ポストはアマチュア作家協会を設立。
紙上で学生の文学作品のコンテストを開始しました。
その表彰式のための行進曲を、オーナーであるハットンとウィルキンスが、
当時アメリカ海兵隊楽団長であったスーザに依頼したのです。

それに応えて作曲されたこの曲は、同年6月15日の第一回表彰式で、
海兵軍楽隊によって初演されると、瞬く間に大ヒットしました。
ワシントン市のスミソニアン・グランドで行われた表彰式には、
ハリソン大統領をはじめとする要人たちが顔を連ねていたといいます。

この行進曲によって平凡な新聞だったワシントン・ポスト紙は一躍有名になり、
このことからある英国人ジャーナリストはスーザを“マーチ王”と呼びました。

「ワシントン・ポスト」はスーザバンドの演奏会では定番曲でした。
もしプログラムになくても、聴衆は演奏することを求めたと伝えられます。

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ワシントンD.C.にあるワシントン・ポスト・ビルには、
“ジョン・フィリップ・スーザ集会室”という名の部屋があり、
アメリカ海兵隊の真紅の制服を着た等身大のスーザの肖像画が、
スポットライトを浴びて飾られているそうです。

ワシントン・ポスト紙に世界的な名声と注目をもたらし、
合衆国にも貢献したスーザに対する賛辞が、そこには表されています。





スーザ:行進曲 ワシントンポスト
John Philip Sousa:The Washington Post



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2012年08月27日


グラナドス:スペイン舞曲集 2. オリエンタル Op.37-2

小山実稚恵 国民楽派ピアノ・セレクション
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4.0点 あくまでもひたむきに
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メーカー:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
アーティスト:小山実稚恵
時間:76(分)

♪ショパンを想わせる繊細で美しいピアノ小品

グラナドスはアルベニスと並ぶ、スペインの国民的作曲家です。
スペイン音楽の基礎を作り、後のファリャなどの先達となりました。
スペインのショパン、スペインのグリーグとも呼ばれ、
共演したカザルスはグラナドスを「私たちのシューベルト」と評したそうです。
それ程に彼の音楽は叙情的で美しく、旋律にも親しみやすさがありました。

作曲の上ではスペインの民俗音楽を基盤とした面がある一方、
ショパンやシューマンのような、ロマン派的な側面をも持ち、
また同時代のドビュッシーなど、印象派の影響も見受けられます。

グラナドスは1867年7月27日、スペインのレリダに生まれました。
バルセロナでスペイン民族音楽の先駆者ペドレルから作曲を学び、
20歳でフランス人のパトロンによって、パリでピアノを学びました。
1883年にピアノの賞を受けた後、1889年にバルセロナに帰郷。
独奏会を催して絶賛を受け、音楽家としての足場を作りました。
そして1892年に発表した三つのスペイン舞曲によって真価が確立したのです。

1898年、オペラ「マリア・デル・カルメン」が初演。
1901年にはグラナドス・アカデミーを設立し、ピアノを教えました。
この組織は後に、アリシア・デ・ラローチャらのピアニストを生んでいます。

1911年発表の組曲「ゴイェスカス」は3年後の1914年にオペラ化され、
1916年にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場で初演されました。
これに立ち会った帰りの船がドイツ軍に撃沈され、
グラナドスとその妻はそのまま帰らぬ人となったのでした。

グラナドスの代表作「スペイン舞曲集」の第2曲「オリエンタル」は、
最も知られる第5曲「アンダルーサ」の情熱的なムードとは対極的な、
繊細でショパンを想わせるトリルも印象的な珠玉の小品です。

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オリエンタルとは15世紀までスペインを支配したイスラムのことです。
スペイン舞曲集は各曲にタイトルがつけられていますが、
これは出版社によるもので、グラナドス自身は関与していません。
しかしどれもわかりやすく曲の内容を示して秀逸です。

「オリエンタル」には東洋風の音階による旋律部分があり、
おそらくそれをイメージして、このタイトルがつけられたと考えられます。





グラナドス:スペイン舞曲集 2. オリエンタル Op.37-2
Enrique Granados y Campiña
Danzas espanolas 2. Oriental Op.37-2



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2012年08月22日


グラナドス:スペイン舞曲集 5. アンダルーサ(祈り) Op.37-5

スペインの熱い夜/熊本マリ スペイン名曲集
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5.0点 最高!
5.0点 宝石のように煌めくスペイン曲集
5.0点 ダウンタウンの松本人志です
発売日:2004-10-06
メーカー:キングレコード
アーティスト:熊本マリ

♪ロマンティックなピアノ曲で知られる近代スペイン音楽の開拓者

1916年3月24日、時は第一次世界大戦の最中のことです。
作曲家グラナドスとその妻を乗せたリバプール経由の客船「サセックス」は、
スペインへ帰国途上の英仏海峡に差し掛かっていました。
歌劇「ゴイェスカス」のニューヨーク初演が大成功を収めての帰還です。

思えばこの船旅は当初から予定されたものではなく、
当時のアメリカ大統領だったウィルソンの招きによる演奏会のために、
スペイン直行便をキャンセルしてのものでした。
しかしこの変更が後の悲劇を招いてしまったのです。

2人の乗った客船は戦時下のドイツ海軍の標的となってしまい、
潜水艦の魚雷によって海の藻屑となったのです。
一命を取り留め一旦は救命艇に引き揚げられたグラナドスでしたが、
波間に漂う妻アンバロの姿を見ると、すぐさま助けに飛び込み、
そのまま妻と共に帰らぬ人となってしまったのでした。

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このできごとを扱ったニュースは瞬く間に世界を駆けめぐり、
各国の新聞紙上で大きく報道されました。
しかし結果としてグラナドスの名は、これにより人々に知れ渡ったのでした。

グラナドスを代表する作品のひとつとして知られるのが、
各々3曲ずつで4集、全12のピアノ曲からなるスペイン舞曲集です。
ジプシーを通じて東洋の文化も流れ込んだスペインの音楽は、
南欧の明るさと異国の旋律や奔放なリズムが入り混じった独特なものです。
グラナドスはこれをベースに、オリジナリティに富んだ舞曲を生み出しました。

これらはヴァイオリンやギター、管弦楽など様々に編曲されていますが、
中でもギター編曲によって一躍有名になったのが、第5曲アンダルーサです。
「アンダルシア風」の意を持つこの曲は、スペインの熱い情緒を湛え、
左手のギター奏法を思わせる動きに乗って、哀愁漂う旋律が奏でられます。
中間部は一転して穏やかで、「祈り」の副題に相応しい敬虔な雰囲気を醸しています。





グラナドス:スペイン舞曲集 5. アンダルーサ(祈り) Op.37-5
Enrique Granados y Campiña
Danzas espanolas 5. Andaluza (Playera) Op.37-5



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2012年08月18日


ベートーヴェン:6つのバガテル Op.126

ベートーヴェン : ピアノ協奏曲全集
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4.0点 今でも愛聴盤です!
5.0点 エレガントなピアノ、正確無比なオケ
発売日:1996-03-01
メーカー:ポリドール
アーティスト:アシュケナージ(ウラジミール)
ディスク数:3

♪ベートーヴェン最晩年にして最後のピアノ曲

6つのバガテルは1824年完成の、ベートーヴェンの最後のピアノ曲です。
死が2年後に迫った最晩年の作品ということもできます。
1824年と言えば、やはり最後の交響曲となった「第9」Op.125の完成年でもあり、
6つのバガテルOp.126はその直後に仕上げられました。

前年の1823年には「デイアベリ変奏曲」と「ミサ・ソレムニス」が書かれています。
更にその前年1822年は最後のピアノソナタ第31番と32番作曲の年です。
バガテル以降は5つの弦楽四重奏曲とひとつのカノンしか残しておらず、
そんなところからもベートーヴェン最晩年の心境がうかがえる作品にもなっています。

バガテルとは短かく文学的なピアノ小品曲のことです。
ベートーヴェンの有名なバガテルでは「エリーゼのために」があげられます。
これは単独のバガテルですが、ベートーヴェンは作曲の過程で未使用の旋律がたまると、
それらをピアノ小品のバガテルとして仕上げ、数曲ずつまとめて出版していました。

作品126についてベートーヴェンは「自分が書いた最高のバガテル」と記しています。
また第1曲のスケッチの欄外に「小曲の連作 Ciclus von Kleinigkeiten」と
書き込まれていることから、6曲を通して演奏することが意図されています。

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6つのバガテルは作品全体を穏やかな楽想が占めています。
まず第1、第3、第5曲は透明感あふれ、平穏な心境が伝わってきます。
こと第3曲のカデンツァやその後のトリル、アルペジオの何と軽やかなことでしょうか。
ベートーヴェンの心はもうすでに、半分天国にあるかのようです。

第2曲と第4曲は短調で足早な曲調ではあるものの、かつてのような切迫感はなく、
全体の緩やかな流れに、ほんの少し強めのアクセントを置いたというニュアンスです。
そして終曲の第5曲は、冒頭と最後の急速なプレストを除けば、
やはり平和的なアンダンテが、楽曲のほとんどの部分を占めています。

あまりに透徹として一切の翳りや不安もなく、どこまでも天上的な響きのためか、
劇的な効果の求められる演奏会では、取り上げられる機会が少ないようです。
しかしベートーヴェンが最後にたどり着いた境地を知る手だてとして、
そして何より私たちが心の平安をこの音楽から得るために、
6つのバガテルはもっと広く愛されてほしい作品だと思います。
シンプルな小品とはいえそこには、ピアノ音楽のエッセンスが凝縮されているのです。





ベートーヴェン:6つのバガテル Op.126
Ludwig van Beethoven:6 Bagatelles Op.126
1. Andante con moto 2. Allegro 3. Andante

4. Presto 5. Quasi allegretto 6. Presto



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2012年08月13日


ベートーヴェン:ヴァイオリンと管弦楽のための“ロマンス” 第1番 ト長調 Op.40

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
定価:¥ 1,250
新品最安価格:14%OFF ¥ 1,075 (4店出品)
5.0点 アッカルドの美音
5.0点 先入見なしに聴いて欲しい一枚です。
5.0点 この曲の長大さを感じさせない演奏です
発売日:2005-06-22
メーカー:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
アーティスト:ジュリーニ(カルロ・マリア)

♪楽聖のロマンティックな側面が表れたふたつのロマンツェ

2曲あるロマンスはベートーヴェンのロマン性が最も強く出た作品です。
正式にはどちらも「ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス」の名を持ちます。

実際に作曲された順は、作品番号とは反対になっています。
すなわちまず、第2番ヘ長調Op.50が1798年頃に書き上げられ、
それから4年後の1802年頃に、第1番ト長調Op.40が作曲されました。

どちらも夢見るような叙情性と甘美な曲調が特徴ですが、
第1番には落ち着き払った品格があり、第2番は流麗で女性的と言えるかもしれません。
一般的には旋律がはっきりした、親しみやすい第2番の方がより広く知られています。

ベートーヴェンは田園交響曲スプリング・ソナタ(ヴァイオリンソナタ「春」)などの、
自然を感じさせる牧歌的でのどかな曲に、しばしばヘ長調の調性を用いました。
そんなことからも、第2番ヘ長調からは女性的なものが感じられるのかもしれません。
そういえばロマンス第2番と「春」の第1楽章の主題はどこか似ています。

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さて、今回の主役第1番ト長調に話を戻しましょう。
この曲が書かれた1802年の大きな作品と言えば、ハイドン、モーツァルトから離れて
独自性を打ち出し始めた交響曲第2番があげられます。

そして、私生活のできごととしては何と言っても、
有名なハイリゲンシュタットの遺書が書かれたことに尽きます。
この年の5月から約半年間に渡るハイリゲンシュタットの滞在は、
ベートーヴェンに熟考の時を与え、その後の作曲に、いえ人生そのものに関わるような、
内的な変化をもたらしたことが遺書からはうかがえます。

というのも、死後の財産分与についての指示には、自殺の意図が読み取れますが、
同時に「牧人の歌が聴こえなかった時には、あわや自殺しようとしたこともある。
しかし、私の芸術だけがそうした思いから引き戻した。
生涯を終わらせずにこれたのも、徳と私の芸術のおかげだ。」
とも、10月6日と10日の2通の封書には記されているのです。

実際、遺書から程なくして、分厚いスケッチ帳を抱えてウィーンに戻った彼は、
自らの使命に目覚めたかのように、それまでにない筆致で次々と作品を仕上げ、
翌1803年から1804年にかけては、革新的な大作の英雄交響曲を完成させています。

ロマンス第1番ト長調の作曲の背景には、こうした激動の精神的変遷があったのです。
しかし、それを微塵も感じさせない程に、この曲はどこまでも穏やかで可憐です。





ベートーヴェン:ヴァイオリンと管弦楽のための“ロマンス” 第1番 ト長調 Op.40
Ludwig van Beethoven
Romance for Violin and orchestra No.1 in G major, Op.40



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