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2010年07月25日


バルトーク:《管弦楽のための協奏曲》 第4楽章 「中断された間奏曲」

バルトーク:管弦楽のための協奏曲,弦楽器,打楽器とチェレスタのための音楽
ライナー(フリッツ)
BMG JAPAN(2007-11-07)
おすすめ度の平均: 5.0
5にわかには信じ難いが名盤。
5緊張感に富んだ、強く心に訴えかけてくる名演
5<名盤>とは何か

♪音楽仲間たちの友情から生まれた代表作

「若い頃の私にとって、美の理想はベートーヴェンだった」

バルトークほどに説明や定義付けの難しい作曲家も珍しいでしょう。
ブラームス、ワーグナー、そしてリヒャルト・シュトラウスといった、
ドイツ・オーストリア系音楽への傾倒から始まり、
19世紀〜20世紀にかけての激動の音楽の変遷の流れに乗って、
ドビュッシー、ストラヴィンスキー、シェーンベルクなど
改革者たちの影響を強く受けてきました。

また自身は故郷ハンガリーを中心とした民謡の収集、研究に熱心で、
これらが渾然一体となって古典、現代音楽、民俗音楽など、
様々な要素が感じられる独特の作風を持っていました。
ですから現代音楽の旗手といわれる反面、新古典派ともされるなど、
簡単にはジャンルに括れない特殊な作曲家がバルトークなのです。

ナチスの台頭と政治的軋轢から、故郷を離れ渡った先のアメリカで、
バルトークの音楽がまったく受けず、苦しい生活を強いられた背景には、
こうした彼の独特な作風を受け入れる土壌が、
当時のアメリカにはなかったためともみられます。
金銭的にも逼迫し、体調も芳しくない中でバルトークはうつ状態にありました。

「私はかなりの悲観論者になりました。どんな人をも、どんな国をも、
またどんなことをも信じられません。」とかつてのピアノの弟子に書簡を送ったほどです。

そんな彼を見かねて救いの手を差し伸べたのは、指揮者のフリッツ・ライナー、
ヴァイオリニストのヨーゼフ・シゲティといった、同郷の音楽家の友人たちでした。
バルトークへの援助をアメリカ作曲家協会(ASCAP)に働きかけた他、
指揮者のクーセヴィツキーが新作をバルトークに依頼した背景にも、
ライナーたちの配慮と促しがあったとされています。

こうして息を吹き返したバルトークが書き上げた傑作が「管弦楽のための協奏曲」です。
名手揃いのボストン交響楽団用に、各楽器が合奏協奏曲のように
活躍できる作りとなっているためこの名がつけられましたが、
全5楽章の面構えは交響曲と呼んでもいいほどに立派です。
白血病だった彼の"悲しい死の歌"から"生の主張"へと漸進的に推移していく、
内面の変化が全曲を通して描かれています。
この曲は彼にとってアメリカで最初の成功作にして、代表作のひとつとなりました。

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第4楽章にはショスタコービッチの交響曲第7番「レニングラード」の、
ナチスによるレニングラード侵攻を描いた戦争の主題が引用され、
それに対しトロンボーンがグリッサンドで「ブーイング」を示し、
木管楽器がケタケタと声をあげるような嘲笑を表しています。
またヴィオラによる第2主題はこの楽章の白眉ともいえる美しさです。
この旋律は19世紀ハンガリーの無名の作曲家からの引用も指摘されています。






Bartók Béla Viktor János:Concerto for Orchestra
4. Intermezzo interrotto
バルトーク:《管弦楽のための協奏曲》 第4楽章 「中断された間奏曲」.mp3



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posted by アンドウトワ at 15:08 | 協奏曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月19日


ストラヴィンスキー:バレエ音楽《春の祭典》 第1部 大地礼讃 2.春の兆し

ストラヴィンスキー:春の祭典
ブーレーズ(ピエール)
ユニバーサル ミュージック クラシック(2007-09-05)
おすすめ度の平均: 4.5
4目下のファイナルアンサー
5すごい!

♪ロシア音楽界の巨星が生んだ現代音楽の古典

20世紀初頭のロシアに現れた音楽界の巨人ストラヴィンスキー。
“現代音楽の父”とも称される彼の音楽は斬新かつ先鋭的で、
それまでの音楽の概念を根底から覆す程に衝撃的なものでした。

親の意向で法律家を志し大学に入ったストラヴィンスキーでしたが、
幼い頃から続く音楽への思いは断ちきれず、父親の死を機に
法律家の道を捨て、本格的に音楽を志すようになります。
師事したのは管弦楽の大家、リムスキー=コルサコフでした。

その成果は師匠の死からほどなくして実を結ぶことになります。

稀代の興行師ディアギレフがストラヴィンスキーを知ったのは、
初演された新作「花火」を聴いた1908年のこと。
「花火」は元々、コルサコフの娘の結婚祝いに作曲された作品でした。

その才能を見抜いたディアギレフは、すぐさま新作バレエの音楽を依頼しました。
その時、28歳の無名の作曲家だったストラヴィンスキーを、一躍有名にした「火の鳥」です。

この作品の成功後、ディアギレフは「ぺトルーシュカ」「春の祭典」の2曲を、
バレエ用音楽として作曲することをストラヴィンスキーに依頼しました。
これらのバレエ音楽が今日に至るストラヴィンスキーの名声の柱になっています。

「春の祭典」は「火の鳥」作曲中にストラヴィンスキーが見た、
異教徒たちが若い娘を太陽神に捧げる儀式という幻影が元になっています。
サン=サーンス、ドビュッシー、ラヴェルなどの顔ぶれが揃った
1913年の春、パリのシャンゼリゼ劇場で行われた初演は、
音楽史上に刻まれる未曾有の大騒動を引き起こしました。

原始的で激しいリズム、交錯する複調の和音…。
演奏開始から客席はざわつき、やじや口笛で反感を表す者、
また反対に感激で拍手を鳴らす者と、双方が入り乱れ劇場は騒乱のるつぼと化したのです。

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しかし、ストラヴィンスキーを支持した指揮者ピエール・モントゥーは毅然と演奏を続け、
「とにかく最後まで聴いて下さい」と叫びつつ何とか舞台を終わらせたのです。

現代の私たちが聴いても刺激的でスリリングな作品です。
100年近くも前の人たちには、理解の範疇を越えたものであったとしても無理はないでしょう。
しかし「春の祭典」は今では揺るがぬ古典的名作であり、
時代を越えたストラヴィンスキーの才能は現代にも燦然と輝き続けているのです。





Igor Fyodorovitch Stravinsky:The Rite of Spring Part1 : 2.The Augurs of Spring
ストラヴィンスキー:バレエ音楽《春の祭典》 第1部 大地礼讃 2.春の兆し - DOWNLOAD


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posted by アンドウトワ at 10:18 | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月13日


ロッシーニ:歌劇 《セビリアの理髪師》 序曲

セビリャの理髪師~ロッシーニ序曲集
シャイー(リッカルド)
ユニバーサル ミュージック クラシック(2003-06-25)
おすすめ度の平均: 5.0
5キビキビしたロッシーニ節を如何なく堪能

♪イタリアの国民的喜歌劇を確立させたロッシーニ

ドイツにはウェーバーという国民歌劇の樹立者が存在しますが、
イタリアで同じく国民的喜歌劇を確立させたのはロッシーニです。

代表作である「セビリアの理髪師」は彼がまだ24歳の時の作品。
わずか3週間で書き上げたというこの歌劇はヨーロッパ中を湧かせ、
オペラ作曲家としてのロッシーニの名を不動のものとしました。

オペラには深刻なオペラ・セリアと娯楽的なオペラ・ブッファがあります。
「セビリアの理髪師」は後者のオペラ・ブッファに属しています。

成功後、熱烈な歓迎をもってウィーンを訪れたロッシーニ。
その時、訪問を受けたベートーヴェンは「セビリアの理髪師」を絶賛。
「あなたはオペラ・ブッファ以外のものを書いてはいけません」
と述べ、ロッシーニの才能を認めていたといいます。

他にもワーグナーが貧困時代、ロッシーニを目標としていたのは有名です。
またベルリオーズはウィリアムテル序曲を
「四つの部分に分かれた小さな交響曲」と賞賛しました。

しかしロッシーニは天才であるが故か雑なところもあり、
自分の過去の曲を使いまわすこともしばしばでした。

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現在、セビリアの理髪師 序曲とされている曲は、
実際には歌劇「ひどい誤解」の序曲として書かれたものが最初で、
その後二度、三度と他の歌劇に転用され続け
「セビリアの理髪師」で四度目の使用ということになります。

ですが裏を返せばそれだけロッシーニもこの序曲を気に入っていたと思われ、
だからこそ今日でも多くの人々に愛される序曲のひとつになっているのかもしれません。






Gioachino Antonio Rossini:"Barbiere di Siviglia" Overture
ロッシーニ:歌劇《セビリアの理髪師》序曲.mp3



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posted by アンドウトワ at 18:27 | オペラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月07日


ワーグナー:歌劇《タンホイザー》から 「大行進曲 - 歌の殿堂をたたえよう」

ワーグナー:歌劇「タンホイザー」 (3CD) [Import]
新品最安価格:¥ 4,826 (3店出品)
中古最安価格:¥ 4,791 (2店出品)
発売日:2004-10-28
メーカー:ORFEO
カテゴリー:CD
アンドレ・クリュイタンス(指揮) バイロイト祝祭管弦楽団
フォーマット:Import from UK
ディスク数:3

♪第二幕 歌合戦の会場で登場する壮大な合唱曲

「タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦」が原題のこの歌劇は、
その名が示す通り、二つの伝説が物語のベースになっています。

タンホイザーはオーストリア公フリードリヒ2世に仕えた記録が残る、
13世紀ドイツに実在したミンネゼンガー(吟遊詩人)のひとりです。
彼が騎士道を外れ、快楽を追い放蕩したというのが一つ目の伝説。

もう一つの伝説「ヴァルトブルクの歌合戦」は、
1207年にヘルマン侯の宮殿で行われた、負けた方が命を落とすという歌合戦です。

ワーグナーはこの二つの伝説を巧みに組み合わせ、
そこに自らの思想を表した物語を加えて壮大な台本を書き上げました。
歌劇では愛欲に溺れ、無明の世界を彷徨うタンホイザーに対し、
我が身を捧げて神に祈るエリザヴェート姫の清廉な愛が救いとして描かれています。

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「タンホイザー大行進曲」と一般に呼ばれる今回の楽曲「歌の殿堂をたたえよう」は、
第二幕で歌合戦の会場となるヴァルトブルクの広間に入場する
貴族や騎士たちが、領主を讃えて盛大に歌う合唱曲です。
第九のように一回目は管弦楽のみで演奏され、二回目からは合唱も加わります。

演奏会で単独で取り上げられる際には、管弦楽のみの編曲版が多く使われています。
ここでも管弦楽版の演奏でお届けします。






R.Wagner:"Tannhäuser" Einzug der Gaste in die Wartburg
ワーグナー:歌劇 タンホイザー大行進曲.mp3



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posted by アンドウトワ at 16:00 | オペラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月01日


ゴダール:ジョスランの子守歌

パブロ・カザルスの芸術
カザルス(パブロ)
BMG JAPAN(2007-11-07)

♪愛され続ける子守歌の名作

シューベルト、ブラームス、モーツァルト(フリース)…
クラシックの世界には数多くの子守歌の名曲が存在しています。

どれも流麗で美しく、子供への愛情が感じられる旋律が特徴です。
中でも一際抒情的な旋律で愛されているのがこの作品。

ゴダール作曲の歌劇「ジョスラン」の第二幕で歌われる子守歌です。

主人公のジョスラン(テノール)が鷲たちの住む洞窟の外で、
我が子に聖母マリアのご加護があることを願い切々と歌い上げます。
オペラのアリアですから劇的で哀切もあり、歌以外の編曲でも大変親しまれています。

作曲のバンジャマン・ゴダールは19世紀後半のフランスの作曲家です。
46年という短い生涯の間に室内楽曲、オペラ、歌曲等、多くの作品を書きました。

オペラ作曲家としての成功を望んでいた彼にとって「ジョスラン」は、
ブリュッセルで上演後パリでも上演されるという、うれしいヒット作となりました。

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しかし現在ゴダールが残した大半の作品は忘れ去られ、
唯一残る「ジョスランの子守歌」も元の歌劇が上演されることは殆どありません。
ゴダールの名は大衆的なサロン小品の作曲家として、記憶されるにとどまっています。

それでも「ジョスランの子守歌」という名作と共に、
彼はいつまでも愛され続けるでしょう。






Benjamin (Louis Paul) Godard:Lullaby of Jocelyn
ゴダール:ジョスランの子守歌.mp3



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posted by アンドウトワ at 13:50 | オペラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする