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2010年02月25日


チャイコフスキー:バレエ音楽《くるみ割り人形》から 第14曲 パ・ド・ドゥ

グラン・パ・ド・ドゥ(プリマ・ バレリーナの芸術)
ロンドン交響楽団
ポリドール(1995-11-01)
おすすめ度の平均: 4.5
5名曲ぞろいで踊りたくなるような気分になります
4パ・ド・ドゥ
5プリマの踊りが目に浮かぶ

♪クリスマスに少女クララが描いた一夜の夢

くるみ割り人形といえば花のワルツ、こんぺいとうの踊りといった
組曲からの作品の知名度が高く、広く人気も博していますが、
実は組曲からもれた作品の中にも不朽の名作があります。

第2幕後半で花のワルツの後に演じられる舞台の見せ場パ・ド・ドゥ。
4曲からなるセットのトップを飾る旋律美豊かなアダージュがそれです。

チャイコフスキーはバレエに先立ち、自ら8曲を選んで組曲としました。
そのどれもが親しみやすく楽しい名曲ぞろいですが、
実は一見華やかなこのバレエの物語があわせもつ、
少し切ない側面を表しているのがパ・ド・ドゥのアダージュという気がします。

ご存知のようにくるみ割り人形の物語は、
クリスマスの夜にクララが見た夢の中のできごとです。
美しい王子もお菓子たちの楽しい踊りも、すべては夢の中の幻。
そんな刹那なできごとだからこそ、子供向けのようなこの物語が、
時に愛しくも魅力的にも感じられるのだと思います。

私は勝手に更にイメージを膨らませます。
クララは裕福な家のお嬢様などではなく、
両親をなくした身寄りのない淋しい少女であると。
クリスマスの夜もひとりぼっちで、お母さんの形見のくるみ割り人形を胸に、
せめて夢の中でだけでも楽しく幸せなひと時を過ごします。
そして満ち足りた気持ちのままでクララは天に召されていくのです。

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パ・ド・ドゥのアダージュを聴いていると、なぜかそんなイメージが湧いてきます。

手を伸ばすけれども届かない、憧れるけれどもどうにもならない…。
そんな切なさがチャイコフスキーの音楽の底には
いつも流れている気がするのです。

*オリンピック フィギュアスケートにちなんでの新録音です。
*舞台によっては夢の中の話としない演出もあります。




P.I.Tchaikovsky:The Nutcracker Act2 14. Pas de Deux -Adage

http://classical-sound.up.seesaa.net/Tchaikovsky-Nutcracker-PasdeDeux-Adage.mp3



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posted by アンドウトワ at 16:45 | バレエ音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月20日


メンデルスゾーン:《無言歌集第2巻》 「ヴェネツィアの舟歌 第2」 Op.30-6

メンデルスゾーン:無言歌集
田部京子
コロムビアミュージックエンタテインメント(2002-06-21)
おすすめ度の平均: 5.0
5癒しの作品
5とてもチャーミングな演奏
5まさに言葉の無い歌
5理想的なメンデルスゾーン

♪水の都ヴェニスにゆれるゴンドラをイメージして

「疲れたよ、ひどく疲れた…」
メンデルスゾーンが病床で最期に発したとされる有名な言葉です。

この言葉は人生に疲れた彼の心情の表れと捉えられてきました。
しかし最近の研究では、次々と訪れる見舞い客の対応に疲れ、
思わず発してしまっただけという見方もあるようです。

メンデルスゾーンと親交のあったゲーテにも、
「もっと光を!」というよく知られた最期の言葉がありますが、
あれも単にカーテンを開けて外の光をもっと入れてくれ、
という意味に過ぎなかったともいわれています。

富裕な銀行家の家に生まれ、不自由なく幸せに生きたメンデルスゾーン。
波乱万丈の人生を送った作曲家たちが多い中にあって、
ひとりぐらいは満たされたまま生涯を閉じる者があってもいいのではないでしょうか?

メンデルスゾーンの父は彼が見聞をひろめ、教養を高めるために、
海外に旅行することを勧め、そのための援助を惜しみませんでした。
そしてその旅行は彼に作曲での多くのインスピレーションをもたらしました。

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メンデルスゾーンは旅先から家族に送る手紙に、
その土地の思い出や風景を表した旋律を添えることを常としていました。
無言歌集には彼自身が名づけた三つの「ヴェネツィアの舟歌」が含まれていますが、
これもイタリア旅行で得た着想や、家族に書き送った旋律のひとつであったかもしれません。

無言歌集第2巻の6曲目として収録された「ヴェネツィアの舟歌 第2」は、
3曲の同名曲の中でも特に親しまれ、演奏される機会も多い作品です。




Felix Mendelssohn:Venetian Gondola Song Op.30-6

http://classical-music.aki.gs/Menndelssohn-Venetian-Gondola-Song-No2.mp3



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posted by アンドウトワ at 16:11 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月15日


シューベルト:即興曲集 D935/Op.142 第2番 変イ長調

シューベルト:4つの即興曲
ルプー(ラドゥ)
ユニバーサル ミュージック クラシック(2006-04-12)
おすすめ度の平均: 5.0
5弱音のコントロールが実に見事
5弾き込まれたシューベルト

♪シューベルトの才能が自由に開花した即興曲集

旋律創作の才能の非凡さから歌曲王と称されるシューベルト。
一方でシューマンが「ベートーヴェンをも凌ぐ」と評したほどに、
ピアノ曲のジャンルでも高く評価されています。

わけてもピアノソナタのように構成や形式のしっかりしたものよりも、
即興曲や楽興の時といった自由な小品で持ち味を発揮しました。

4曲ずつの2組からなる即興曲集はシューベルト最晩年の作品です。
そして歌心に満ちた最もシューベルトらしい作品としても愛されています。
またメンデルスゾーン、ショパン、ドビュッシーといった
ロマン派以降のピアノ音楽の興隆の先がけになったともいわれています。

シューベルト以前はモーツァルト、ベートーヴェンなどのピアノソナタが、
ピアノ音楽の王道として君臨していたのです。
シューベルトがイメージの趣くままに紡いだ自由なピアノ小品の数々は、
その後に続く多くの作曲家たちのインスピレーションの源にもなっていきました。

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正式にピアノを学んだこともなく、またピアノ演奏の名手でもなかった彼が、
即興曲を始めピアノソナタなど100曲以上にもなるピアノ曲を残せたのは、
彼が楽器としてのピアノの機能を十二分に理解していたためといわれています。




F.Schubert:Impromptus in A-flat major, Op142-2

http://classical-music.aki.gs/026-Schubert-IMPROMPTUS-Op142-2.mp3



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posted by アンドウトワ at 16:08 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月11日


ブラームス:ワルツ第15番 変イ長調 Op.39-15

ブラームス:2台のピアノのための作品集
アルゲリッチ(マルタ)
ワーナーミュージック・ジャパン(2004-01-21)
おすすめ度の平均: 3.5
3曲によってピアノを交互に演奏している
3ワルツ集は名演だけど、全体的にはイマイチ?
4やっぱり、原曲のピアノ5重奏には勝てないかな
4まさに新鮮なブラームス像

♪ウィーンに来て間もなく書いた優美なワルツ

この作品を書いた頃、世間はJ.シュトラウスのウィンナーワルツ全盛期。
ブラームスはといえば故郷ハンブルクを無評価の失意の内に去り、
ウィーンで作曲家として新たな生活を始めて3年目の年でした。

当初、4手のピアノ連弾用に作曲された作品集は、
ブラームス自身の見込みに反して家庭音楽としても反響を呼び、
同時に編曲されていた独奏版も発表されるに至りました。

独奏版を献呈された音楽評論家のハンスリックは
「真面目で無口なブラームス。
あのシューマンの弟子で、北ドイツのプレテスタントで、
シューマンのように非世俗的な男がワルツを書いた。」
と語り、驚きを示したといいます。
踊るための娯楽音楽に過ぎないと、当時考えられていたワルツを、
絶対音楽の推進者とされていたブラームスが作曲したためです。

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シュトラウスやショパンのような華やかさや技巧性はなく、
小規模で素朴なブラームスのワルツ集ではありますが、
楽曲ごとに様々な性格の違いが見られ、
またブラームス的な緻密さや落ち着いた趣をもった魅力的な作品集です。

16曲のワルツの中で最も人気の高い第15番は、
原調ではイ長調でしたが、独奏版では変イ長調に替えられています。
今回の演奏は変イ長調の独奏版です。




J.Brahms:Walzer No.15 in A-flat major, Op.39-15

http://classical-music.aki.gs/133-Brahms-Waltz-No15.mp3



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posted by アンドウトワ at 01:22 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月06日


フォーレ:組曲《ドリー》から 第1曲 子守歌 Op.56-1

ドリー〜フランス近代ピアノ・デュオ作品集1
ジョワ&ロバン=ボノー
ワーナーミュージック・ジャパン(2001-07-25)
おすすめ度の平均: 5.0
5ドリーが素敵デス
5フランスの香りのするピアノデュオ

♪少女への愛情に満ちた可憐なピアノ小品集

組曲ドリーはやさしくあたたかな子供向けのピアノ連弾曲集です。
そしてすべての曲はひとりの可憐な少女に捧げられています。

少女の名はエレーヌ。
彼女はドリーの愛称で可愛がられていました。

フォーレはドリーの誕生日が来ると、毎年1曲ずつをプレゼント。
これは1893年から1897年まで続きました。

ドリーの母親であるエンマは後にドビュッシーの妻になった人です。
ドビュッシーはエンマとの子であるシューシューのために、
有名な「子供の領分」を作曲しました。
そのため「ドリー」と「子供の領分」は、姉妹作として並べ評されることもあります。

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そして実はフォーレとエンマはただの知人ではなく、
愛人関係であったともいわれています。
つまりドリーはフォーレの実の子だったということです。

ひとりの少女のために何年にも渡ってピアノ作品を作曲して捧げ続けた背景には、
そうした隠された事情があったのかもしれません。

第1曲「子守歌」は組曲中でも人気の作品です。
ピアノ以外にも様々な楽器用にアレンジされ親しまれています。
今回はフルートとハープによる演奏でお届けします。




G.Faure:Dolly Suite "Berceuse" Op.56-1

http://classical-music.aki.gs/Faure-Dolly-Suite-Berceuse.mp3



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posted by アンドウトワ at 01:26 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする