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2009年11月24日


ブルックナー:交響曲 第8番 ハ短調 第4楽章

ブルックナー:交響曲第8番
シューリヒト(カール)
TOSHIBA-EMI LIMITED(TO)(M)(2007-08-22)
おすすめ度の平均: 5.0
5名演中の名演
5武骨なブルックナー
5シューリヒトの「至高」

♪交響曲作曲家ブルックナーの最高傑作

ブルックナーの音楽が描くものは大自然、大宇宙の世界です。
それは人間界のちっぽけなできごとを越えた世界であり、
また同時に人間を深く掘り下げた先に到達する真理の世界です。

ブルックナーという人は部屋にピアノとマリア像しか置かない
敬虔なクリスチャンだった人で、音楽も人間相手というより
愛する神さまのために書かれています。

教会のオルガンの響きをこよなく愛し、自らも優れたオルガニストだったブルックナー。
聖フロリアン修道院の壮麗なオルガンの音に魅かれて作曲家を志したという彼は、
生涯を通じて大交響曲を書き続け、今は自らが憧れたオルガンの下に眠っています。

そんなブルックナーを代表する作品が「ブル8」と呼ばれる交響曲第8番です。
調性はベートーヴェンの「運命」やブラームスの交響曲第1番と同じハ短調。
そして短調で始まる音楽が様々なドラマを経て、
ハ長調という完全勝利で終わるのもいっしょです。

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しかし、ブルックナーのそれにはまた少し違った趣きが加わります。
例えるなら人間が覚醒することで脳が全開になり、
秘められていた全能力が爆発するような感覚です。
勝ったとか負けたとかそんなことを遥かに越えた次元の話なのです。

第3楽章にもまるで悟りの蓮の花が開くかのような巨大な頂点がありますが、
この第4楽章のコーダも全交響曲史上屈指の、壮大で感動的な締めくくりです。
人間存在の孤独や悲しみが音楽の中で浄化され、
宇宙に開く大輪の花へと昇華されていくような、美しく荘厳な響きがあります。



ブルックナー:交響曲 第8番 ハ短調 第4楽章
Anton Bruckner:Symphony No.8 in C-minor, 4. Finale

http://classical-music.sakura.ne.jp/Bruckner-Symphony-No8-4th.mp3



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posted by アンドウトワ at 18:37 | 交響曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月18日


ドヴォルザーク:弦楽セレナーデ ホ長調 Op.22 第1楽章

ドヴォルザーク:弦楽セレナード
プラハ室内管弦楽団
コロムビアミュージックエンタテインメント(2004-12-22)

♪胸に染み入るような若き日の名作

34歳の青年がわずか10日余りで書き上げた若き日の名作です。
この頃のドヴォルザークは国費奨学生に合格したわずか3ヶ月後で、
オーストリアからの奨学金により生活も安定していました。

2年前に結婚した妻との暮らしも、穏やかで幸福なものでした。
そんな満ち足りた感情がこの曲には表れていると言われます。

ドヴォルザークは才能ある優れたメロディーメイカーとして、
同じく名旋律を数多く残したチャイコフスキーとよく比較されます。

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チャイコフスキーもまた有名な弦楽セレナーデを作っていますが、
ドヴォルザークの方にはチャイコフスキーのような派手さはないものの、
地味ながら染み入るような深い味わいがあります。

人生について大風呂敷を広げるような内容ではありませんが、
例えば日曜日の午後、何も考えずにゆっくりとお茶でも飲みながら
聴きたくなるような、親しみやすく美しい音楽です。




Dvorak:Strings Serenade Op.22 1. Moderato

http://classical-music.aki.gs/Dvorak-Strings-Serenade-1st.mp3



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posted by アンドウトワ at 14:08 | 弦楽合奏曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月12日


ベートーヴェン:ピアノソナタ 第31番 変イ長調 Op.110 第1楽章

ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ全集
バックハウス(ウィルヘルム)
ポリドール(1999-06-02)
おすすめ度の平均: 4.5
5バックハウス讃
5言葉に表すのは難しい…
5永遠の指針となりうる名盤
5新全集には新全集の良さが……

♪最晩年の楽聖が到達した清浄な世界

既に越えてしまった音楽、彼岸に達してしまった音楽です。

ベートーヴェンは生涯にわたってピアノソナタを書き続けました。
分けても最後の第31番と第32番は大作「ミサ・ソレニムス」と
並行して作曲され、ベートーヴェンが行き着いた
ピアノ音楽の集大成的作品とされています。

第31番では自らが“嘆きの歌”と呼んだ悲痛な旋律を含む
第3楽章が有名ですが、その影でひっそりと佇む第1楽章には、
無心で野に咲き揺れる花のような透明感と可憐さがあります。

幾多の辛酸をなめてきたベートーヴェンだからこそたどり着いた境地。
もうこの世の闘争やわずらいとは関係のない世界です。
これは後期の弦楽四重奏曲にも同じような心境がうかがえます。

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この曲を作曲当時のベートーヴェンは健康をひどく害し、
経済的にも決してゆとりがあるとは言えませんでした。
しかしそうした外的な状況と反するかのように、
彼の心境は益々高く透徹としたものになっていったのです。

インド哲学にも精通し単にキリスト教に止まらない広い宗教観を持っていたことも、
ベートーヴェンの晩年の思想や精神性に大きく影響していたかもしれません。




L.V.Beethoven:PianoSonata No.31 in A flat major, Op.110
1. Moderato Cantabile molto espressivo

http://classical-music.aki.gs/Beethoven-PianoSonata-No31-1st.mp3



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posted by アンドウトワ at 14:14 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月06日


モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626 第8曲 涙の日 - ラクリモザ

モーツァルト:レクイエム
カラヤン(ヘルベルト・フォン)
ユニバーサル ミュージック クラシック(2006-11-08)
おすすめ度の平均: 4.5
4ホンモノ
5圧巻
5充分すぎる満足感

♪最期を迎えたモーツァルト渾身の一作

罪ある者が裁かれるために 塵から甦るその日こそ涙の日である

レクイエム第8曲「涙の日」のこの言葉を最後に、
病に疲れ果てたモーツァルトは作曲の筆を置きました。
この曲は8小節のスケッチのみがモーツァルト自身によるもので、
完成は弟子のジュスマイアーの手に委ねられました。

最早自分には全曲を書き上げる余力がないと悟った彼は、
断筆の夜にジュスマイアーを枕頭に呼び、
作品の完結の手はずを指示したのです。
モーツァルトがこの世を去ったのはその数時間後のことでした。

レクイエム作曲の依頼があったのは、
歌劇「魔笛」の完成も間近な1791年の7月のことです。
依頼者の名も明かさず、署名のない一通の手紙を差し出す
訪問者の男を不信に思ったモーツァルトでしたが、
貧窮にあえぐ生活状況からこの依頼を承諾したのでした。

モーツァルトはこの謎めいた男を死の世界からの使者ではないかと考えるようになり、
「この曲は自分のために書いている」と涙ながらに周囲に語っていました。
彼のレクイエム作曲に対する執念は並のものではなく、
体を気遣って止めようとする者たちを振り切り、
何かにとりつかれたように筆を進めました。

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最期を看取った妻のコンスタンツェは、
モーツァルトは亡くなる瞬間にも口でティンパニーを表し、
その音が頭から離れなかったと手紙の中に記しています。

彼の死後、依頼者は作曲家の作品を買い取っては
自分の作であると偽って演奏することを趣味としていた、
フランツ・フォン・ワルゼックという伯爵であることがわかりました。
謎の男は伯爵の家令だったのです。
伯爵は妻の一周忌にレクイエムを演奏しようと考え、
モーツァルトに作曲を依頼したのでした。




W.A.Mozart:Requiem in D minor, K.626 8. Lacrimosa

http://classical-music.aki.gs/Mozart-Requiem-Lacrimosa.mp3



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posted by アンドウトワ at 14:29 | 宗教曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする