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2023年03月26日


ベートーヴェン:交響曲 第3番 変ホ長調 Op.55 「英雄」 第1楽章 [2023] / L.V.Beethoven:Symphony No.3 in E flat major, Op55 "EROICA" 1. Allegro con brio


Beethoven-05.jpg♪すべての人々の心に生きる"英雄"を描く

交響曲第3番「英雄」は、ベートーヴェンが尊敬したナポレオンに捧げられた作品で、
完成した当初は総譜の表紙に「ナポレオン・ボナバルト」と書かれていました。

しかし、ナポレオンが権力を象徴する皇帝の座についたのを知ったベートーヴェンは、
顔面蒼白になり「あの男も単なる俗物であったか」と怒りに打ち震えました。

そして総譜表紙の「ボナバルト」の文字を荒々しく消すと、気を静めたのちにペンを取り、
「Symphonia Eroica - 一人の偉大な人の思い出のために」と表題を改めました。

この瞬間、「英雄交響曲」は誰かひとりの"英雄"に捧げられたのではなく、
すべての人の心にある、愛・勇気・正しさとそれを行う人を描いた作品となりました。

人種・性別・年齢など表面的な事象は関係ありません。

ベートーヴェンの音楽に表される"闘い"は、外部の何かとの戦いではありません。
むしろ自分自身の心の弱さ・迷い・臆病さとの闘いがテーマになっています。



ワーグナーは「英雄交響曲」について、「ある人だけが英雄といわれるのではない。
全人類の中で、強く正しいことを行う人はみな英雄である。英雄、つまりその人間には、
純粋な人間的感情、愛、悲しみ、力などが崇高な姿で表現される」と説明しました。

*不必要な弦のサスティンをやめ、スタッカートで歯切れの良さを心がけました。
また、全体に抑え気味だった木管をより前面に出しました。
ベルリンフィルハーモニー大ホールの舞台から20m付近の音響を使用しています。


ベートーヴェン:交響曲 第3番 変ホ長調 Op.55 「英雄」 第1楽章 [2023]
L.V.Beethoven:Symphony No.3 in E flat major, Op55 "EROICA"
1. Allegro con brio [17:48]



Beethoven-Symphony-No3-Eroica-1st-2023.mp3



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2023年03月19日


シューマン:交響曲第3番 変ホ長調 Op.97「ライン」第1楽章 [2023] / Robert Alexander Schumann:Symphony No.3 in E flat major, Op.97 "Rheinische":I. Lebhaft


schumann05.jpg♪悠久の時の流れを思わせる雄大なシンフォニー

交響曲第3番変ホ長調「ライン」は1850年に作曲され、1851年2月6日に
デュッセルドルフにおいてシューマン自身の指揮によって初演されました。

シューマンが完成した4番目の交響曲で、実質的には最後のものにあたります。
しかし、2番目のものが後年改訂出版されて「第4番」とされたため、第3番に繰り上がりました。
「ライン」の副題はシューマン自身が付けたものではありません。

日本初演は1927年9月25日、日本青年館にて近衛秀麿と新交響楽団によって行われました。
シューマンの交響曲のなかで最も早く日本で演奏されています。

1850年、デュッセルドルフの管弦楽団・合唱団の音楽監督に招かれたシューマンは、
9月に同地に到着すると夫妻で盛大な歓迎を受けました。
シューマンはライン川沿岸を好んで散歩し、
9月と11月にはライン川上流に位置するケルンにも足を延ばしました。

壮麗なケルン大聖堂に感銘を受け、折しもこの時期に挙行されたケルン大司教
ヨハネス・フォン・ガイセルの枢機卿就任式の報に接し、交響曲の霊感を得たといいます。

シューマンは同年11月にチェロ協奏曲を完成させると、
直ちにこの交響曲の作曲に取りかかり12月には完成しています。

シューマンはライン川の川下りやそれを取り巻く環境に大いに触発され、
第1楽章(ローレライ)、第2楽章(コブレンツからボン)、第3楽章(ボンからケルン)、
第4楽章(ケルンの大聖堂)、第5楽章(デュッセルドルフのカーニヴァル)など、
その音楽もまたラインに関連が深くなっています。



「ライン」はシューマンの交響曲のなかでも極めて音楽的な充実度が高く、
そのインスピレーションにはベートーヴェンの大作群にも通じるものがあります。

特に第1楽章は立派で、同じ変ホ長調の「英雄交響曲」を想起させます。

*演奏内容は全体的に改めました。特に金管は必要以上に前に出ないようにしました。
ベルリンフィルハーモニー大ホールの舞台から20m付近の音響を使用しています。


シューマン:交響曲 第3番 変ホ長調 Op.97 「ライン」 第1楽章 [2023]
Robert Alexander Schumann:Symphony No.3 in E flat major, Op.97 "Rheinische"
I. Lebhaft [10:04]



Schumann-Symphony-No3-Rheinische-1st-2023.mp3



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posted by アンドウトワ at 09:51 | 交響曲 (Symphony) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年02月17日


チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 Op.64 第2楽章 [2023] / Peter Ilyich Tchaikovsky:Symphony No.5 in E minor, Op.64:II. Andante cantabile, con alcuna licenza


Tchaikovsky-08.jpg♪屈指の旋律美を誇る2つの主題

深い闇の彼方から朧気に響くホルンの音。
それはあたかも心の平安を求める、祈りの声のようでもあります。

第2楽章は厳かでやや陰鬱な弦の序奏のあと、
夢幻的であまりに美しい主題がホルンのソロで奏でられます。

この主題が弦によって再現されると息をつく間もなく、
さらに美しい第2主題が続けて演奏されます。

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posted by アンドウトワ at 19:30 | 交響曲 (Symphony) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 Op.74 《悲愴》 第1楽章 [2023] / Peter Ilyich Tchaikovsky:Symphony No.6 in B minor, Op.74 "Pathetique":I. Adagio - Allegro non troppo


Tchaikovsky-07.jpg♪作曲家が人生の最後に明かした心の真実

交響曲第6番『悲愴』はただの音楽ではありません。
チャイコフスキーが作曲の大家ではなく、ひとりの人間として明かした心の真実です。

彼は作曲しながら感情の迸りを抑えられず、涙で譜面が見えなかったと語っています。

第1楽章は『悲愴』の核心であり、特に展開部 (11:45) には最も長い演奏時間が費やされています。
ここに"人間"チャイコフスキーが伝えたかったことのすべてが集約されています。

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posted by アンドウトワ at 13:10 | 交響曲 (Symphony) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年01月28日


エルガー:威風堂々 第1番 ニ長調 Op.39 [2023] / Edward William Elgar:Pomp and Circumstance March No.1 in D major, Op.39

Elgar-02.jpg♪第二の英国国歌として親しまれる格調高い行進曲

『威風堂々』は英国の作曲家エドワード・エルガーが作曲した管弦楽のための行進曲集。
エルガーが完成させたのは5曲で、21世紀初頭に未完の第6番が
補筆完成され追加されました。

第1番は1901年に作曲され、同年の10月19日にリヴァプールにて
アルフレッド・ロードウォルドの指揮で初演されました。
エルガーの友人でもあったロードウォルドと、リヴァプールの管弦楽団に捧げられました。

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posted by アンドウトワ at 01:15 | 管弦楽曲 (Orchestral) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年01月22日


ビゼー: 《アルルの女》第2組曲 第4曲:ファランドール [2023] / Georges Bizet: L'Arlesienne: Orchestral suite no.2:IV. Farandole

Bizet-01s.jpg♪組曲を締めくくる力強く活気に満ちた終曲

ジョルジュ・ビゼーによる全27曲の付随音楽『アルルの女』(L'Arlesienne)は、
アルフォンス・ドーデの同名の短編小説『アルルの女(フランス語版)』および、
それに基づく戯曲の上演のために1872年に作曲されました。

作曲期間が短く、契約の関係で極めて小編成のオーケストラしか使えなかったため、
作曲には大変苦労したという話が伝わっています。

初演の評価は芳しくなく、6年後に再演された時は大好評のうちに迎えられましたが、
その時すでにビゼーはこの世の人ではありませんでした。

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posted by アンドウトワ at 13:18 | 管弦楽曲 (Orchestral) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ビゼー: 《アルルの女》第2組曲 第3曲:メヌエット [2023] / Georges Bizet: L'Arlesienne: Orchestral suite no.2:III. Menuet

Bizet-03s.jpg♪友人エルネスト・ギローが他の歌劇から旋律を引用

『アルルの女』(L'Arlesienne)は、ジョルジュ・ビゼーによる全27曲の付随音楽。
アルフォンス・ドーデの同名の短編小説『アルルの女(フランス語版)』および、
それに基づく戯曲の上演のために1872年に作曲されました。

作曲期間が短く、契約の関係で極めて小編成のオーケストラしか使えなかったため、
作曲には大変苦労したという話が伝わっています。

初演の評価は芳しくなく、6年後に再演された時は大好評のうちに迎えられましたが、
その時すでにビゼーはこの世の人ではありませんでした。

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posted by アンドウトワ at 12:40 | 管弦楽曲 (Orchestral) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年01月18日


ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調 Op.53 「英雄」 [2023] / Frederic Francois Chopin:Poronase No.6 A-flat Major, OP.53 "Heroic"

Chopin-08s.jpg♪美しくも華麗なる情熱のポロネーズ

「英雄ポロネーズ」の通称でショパンの作品中でも高い人気を誇るこの曲は、
彼がマジョルカ島から帰った1840年にアウグスト・レオの依頼により作曲されました。

“ポロネーズ”は愛国心や民族精神が込められたポーランドに古くから伝わる民族舞踊で、
婚礼や祭りなどのたびに人々は、このリズムに合わせて歌ったり踊ったりしていました。

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2022年12月30日


ボロディン:歌劇 《イーゴリ公》より 「ダッタン人の踊り」 [2022] / Alexander Porfir'yevich Borodin: Prince Igor : Polovtsian Dances

Borodin-01.jpg♪懐かしく琴線に触れる名旋律

『イーゴリ公』は、ボロディンによって書かれた序幕付きの4幕からなるオペラです。
中世ロシアの叙事詩『イーゴリ遠征物語』を題材に、1185年、
キエフ大公国の公(クニャージ)イーゴリ・スヴャトスラヴィチによる、
遊牧民族ポロヴェツ人に対する遠征を描いています。

ボロディンはこの作品を完成させないまま1887年に死去したため、
リムスキー=コルサコフとグラズノフの手により完成されました。

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posted by アンドウトワ at 10:21 | 管弦楽曲 (Orchestral) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月17日


チャイコフスキー:バレエ音楽《くるみ割り人形》から 第2幕 第14曲 パ・ド・ドゥ [2022] / P.I.Tchaikovsky:The Nutcracker Act2 14. Pas de Deux -Adage

Tchaikovsky-03s.jpg♪クリスマスにふさわしい包容力ある旋律

「花のワルツ」「こんぺい糖の踊り」など、誰もが知る名旋律が並び、
音楽を聴くだけでも充分に楽しめるチャイコフスキーの「くるみ割り人形」。

毎年、クリスマスになるとこのバレエが上演され、
併せて作曲家自身が選んだ楽曲で構成された組曲も親しまれています。

物語は主人公のクララがクリスマスの夜に見た夢が題材で、
ロマンチックでメルヘンに富んだ世界が、華やかな踊りと音楽で展開していきます。

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posted by アンドウトワ at 11:32 | バレエ音楽 (Ballet music) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする