=テレビ・映画&CM etc. … 最近話題のクラシック=

スポンサードリンク



2019年11月12日


マスカーニ:歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》間奏曲 [2019][AR] / Pietro Mascagni:Cavalleria Rusticana:Intermezzo Sinfonico

Mascani001.gif♪歌劇の幕間に演奏される天上的調べの美しい間奏曲

歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、ピエトロ・マスカーニがイタリアの小説家、
ジョヴァンニ・ヴェルガの戯曲に基づいて作曲した1幕物のオペラ(1890年初演)です。

1889年、ミラノの音楽出版者ソンツォーニョは、1幕物の歌劇を募集しました。
当時は旅芸団の興行や、市立楽団の指揮者で生活していたマスカーニでしたが、
歌劇募集の話に、わずか8日間で「カヴァレリア・ルスティカーナ」を書き上げ、見事入選。
26歳にして名声は世界的なものとなりました。

「カヴァレリア・ルスティカーナ」は一幕ものですが、長いので二場に別れています。
その間で演奏されるのが美しい間奏曲です。




序奏の天上的な響きは特に印象的で、こちらをメインと考えてもいいぐらいです。

コンクールに応募するオペラの題材が決定する前からマスカーニは、
後に「カヴァレリア」の有名な間奏曲となる美しい旋律をピアノ譜の形で書き出していました。
しかし、それが何らかのオペラに使用することが目的だったのかは明確ではありません。

間奏曲は楽曲自体があまりに魅力的なことから、現在では歌劇とは関係なく
独立した演目として演奏されることも多い作品です。

また「アヴェ・マリア」として歌詞がつけられた歌曲版としても親しまれています。


*演奏と音響を改めた新録音です。演奏内容は全面的に変更しました。


オペラ前奏曲、間奏曲集
カラヤン(ヘルベルト・フォン)
ユニバーサル ミュージック クラシック (2007-12-12)
売り上げランキング: 100


マスカーニ:歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》間奏曲 [2019][AR]
Pietro Mascagni:Cavalleria Rusticana :Intermezzo Sinfonico [4:32]


Mascagni-Cavalleria-Rusticana-Intermezzo-2019-AR.mp3



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 04:48 | 歌劇 (Opera) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月11日


ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 Op92 第1楽章 [2019][AR] / Ludwig Van Beethoven:Symphony No.7 in A major, Op.92:I. Poco sostenuto - Vivace

Beethoven-05.jpg「イ長調交響曲は泥酔者の作であるといわれている。
巨大な哄笑を伴う激情の興奮と、惑乱する諧謔の閃き、思いもよらぬ恍惚悦楽の態。

それはまったく酩酊せる人の作である。
力と天才とに陶酔する人の作であった。

自ら『自分は美酒を人類のために捧げる酒神(バッカス)である。
人に神聖な熱狂を与える者は自分である』

と称した人の作品である。」 - ロマン・ロラン

第7交響曲と第8交響曲は、ほぼ同じ時期に並行して作られています。
ベートーヴェンは1812年にウィーン郊外のリンツに転居し、
水も豊かなこの地で傷ついた体の静養に努めました。




ここでの暮らしが開放感をもたらしたのか、
この2曲には前後の交響曲にはない、溌溂としたムードがあふれています。
まるで一時、体の苦痛を忘れ、健康な頃の気分に戻ったかのようです。

第7交響曲こそ、その手法、構成、表現、内容など、
あらゆる面においてベートーヴェンの交響曲の最高峰だという評価もあります。
たしかにそれぞれの楽章がひとつのリズムによって統一されており、
隙のないその緻密さはベートーヴェンならではといえます。

また、第7交響曲ほどに、理屈を超えて人を熱狂させる
魔力をもった作品は、他に見当たらないかもしれません。
コーダの迫力は第5や第9のそれを上回ると言っても過言ではありません。

*演奏と音響を改めた新録音です。演奏内容は全面的に変更しました。


ヘルマン・シェルヘン ベートーヴェン交響曲
シェルヘン(ヘルマン)
プラッツ (1998-10-21)
売り上げランキング: 31,976


ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 Op92 第1楽章 [2019][AR]
Ludwig Van Beethoven:Symphony No.7 in A major, Op.92
I. Poco sostenuto - Vivace [14:50]


Beethoven-Symphony-No7-1st-2019-AR.mp3



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 04:11 | 交響曲 (Symphony) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月25日


ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 Op92 第2楽章 [2019][AR] / Ludwig Van Beethoven:Symphony No.7 in A major, Op.92:II. Allegretto

78op0ifm79fM.jpg

♪ワーグナーが「舞踏の神格化」と評した荘厳な楽章

通常、このような短調のゆったりしたテンポの曲調では、ある程度は湿っぽくなりがちですが、
ベートーヴェンの場合、短調が厳格さや気品につながるから不思議です。

交響曲第7番は全体に溌剌とした勢いのある楽章が多いため、
イ短調の第2楽章はまったく違う表情で、第7番に深い趣きをもたらしています。




一方で、長調に転じた明るく牧歌的な主題も、この楽章の側面のひとつです。
短調の主題と長調の主題が交互に入れ替わりながら、10分近い第2楽章は進行していきます。

第7交響曲は1813年12月8日、ベートーヴェン自身の指揮により初演されました。

*演奏と音響を改めた新録音です。演奏内容は全面的に変更しました。
*前半の弦のボリュームを全体に控えました(公開後に修正)


Beethoven: Symphony No. 7 in A Major, Op. 92 (Bayerische Staatsoper Live)
Orfeo (2016-01-01)
売り上げランキング: 21,346


ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 Op92 第2楽章 [2019][AR]
Ludwig Van Beethoven:Symphony No.7 in A major, Op.92:II. Allegretto [9:05]


Beethoven-Symphony-No7-2nd-2019-AR2.mp3



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 18:02 | 交響曲 (Symphony) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月19日


J.S.バッハ:G線上のアリア - 管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV1068 [2019][AR] / J.S.Bach:Orchestral Suite No.3 in D major, BWV1068:II. Air

78op0ifomfM.jpg

パッヘルベルのカノン、ショパンの別れの曲、ドヴォルザークの新世界より、
スメタナのモルダウ、エルガーの威風堂々、ホルストのジュピター…。
クラシックには挙げればきりがない程の名旋律がありますが、
この曲の美しさ、品格はやはり群を抜いているでしょう。

J.S.バッハの『G線上のアリア』は、管弦楽組曲第3番の第2曲アリアを、
ドイツの名ヴァイオリニスト、アウグスト・ウィルヘルミ(1845-1908)が、
ヴァイオリンのG線のみで弾けるように編曲したことがきっかけで
ヴァイオリン独奏曲としても、いっそう広まり有名になった曲です。

G線は4本あるヴァイオリンの弦の中でも、一番音の低い弦で、
柔らかさと力強さを併せ持つ、豊かな音色が特徴です。
ウィルヘルミはこれを活かして、アリアを魅力的な独奏曲へと仕上げたのです。

バッハは1717年から1723年、年齢にして32歳から38歳頃までの間、
ケーテン地方を統治するレオポルド公の宮廷楽長を務めていました。
レオポルド公は若年ながら優秀な宮廷楽団を抱え、
自身も弦楽器やクラヴィアを器用に弾きこなす音楽通でした。

バッハはこの楽団を指導しながら、教会音楽とは趣きの異なる、
管弦楽曲や、協奏曲、室内楽曲などを自由に作曲しました。
この時代がバッハのケーテン時代と呼ばれています。




4曲あるバッハの管弦楽組曲は、どれもこのケーテン時代に書かれました。
規模の大きな序曲で始まり、様々な古典舞曲を並べるのがこれら組曲の特色です。
こうした組曲の形式は、バッハの時代に好まれ、多くの作曲家たちが用いていました。

管弦楽組曲第3番の編成はオーボエ、トランペット、打楽器、弦楽部。
楽曲は1.序曲、2.アリア、3.ガヴォット、4.ブーレー、5.ジーグで構成され、
第2曲アリアは通常の弦楽器と通奏低音のみで演奏されます。

第1ヴァイオリンが奏でる主旋律は、冒頭からしばらく一音を保ち、
これに寄り添う第2ヴァイオリン、内声を豊かに響かせるヴィオラ、
そして下降するチェロの低音が絶妙なアンサンブルを見せ、
聴く者を清浄で崇高な世界へと誘っていきます。

*演奏と音響を改めた新録音です。テンポを速め、揺らしてイキイキとした表情付けを心がけました。




J.S.バッハ:G線上のアリア - 管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV1068 [2019][AR]
J.S.Bach:Orchestral Suite No.3 in D major, BWV1068:II. Air [4:59]


J.S.Bach-Air-On-G-2019-AR.mp3



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 08:44 | 管弦楽曲 (Orchestral) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月10日


ブラームス:交響曲 第4番 ホ短調 Op.98 第1楽章 [2019][AR] / Johannes Brahms:Symphony No.4 in E minor, Op.98: 1. Allegro non troppo

12drtfgog2e9372.jpg

ベートーヴェンをめざし21年の歳月を費やして完成させた交響曲第1番は、
その内容の立派さや格調の高さからベートーヴェンの第10番と呼ばれました。

もちろん、交響曲の歴史に名を刻む大傑作ではあるものの、
“ブラームスらしさ”という点では少し物足らないと言えるかもしれません。
音楽の外形には後期ロマン派のブラームスの香りが漂っていますが、
強靭な精神性の中身は、まさしくベートーヴェンそのものだったからです。




その点、最後の交響曲第4番は、ブラームスがありのままの自身を描き出した作品で、
無理や気負いがなく、作風もブラームスらしさにあふれています。
ブラームスファンには第1番より第4番を選ぶ人が多いのもわかる気がします。

この曲の作曲中、ブラームスの隣の家が火事になり、彼は消火のバケツリレーに参加しました。
その間、ブラームスの家にも火が燃え移りましたが、彼は構わず隣家の消火を続けました。

書きたての第4番の楽譜は間一髪、燃えそうなところに駆けつけた知人に救出されました。
もしそれがなければ、私たちはこの名作を聴くこともなかったかもしれません。

*演奏と音響を刷新した新録音です。全体に抑揚をつけるよう心がけました。木管と金管は少し引っ込めました。第1楽章ではトランペットの「パッパ」と2回入るフレーズがずっと気になっていましたが、今回は思い切ってほとんど消しました。


ブラームス:交響曲第4番
ブルーノ・ワルター/コロンビア交響楽団
ソニー・ミュージックレコーズ (1999-05-21)
売り上げランキング: 36,016


ブラームス:交響曲 第4番 ホ短調 Op.98 第1楽章 [2019][AR]
Johannes Brahms:Symphony No.4 in E minor, Op.98
1. Allegro non troppo [13:36]


Brahms-Symphony-No4-1st-2019-AR2.mp3



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 23:50 | 交響曲 (Symphony) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月28日


ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 Op.67 「運命」 第3, 4楽章 [2019][AR] / Ludwig Van Beethoven:Symphony No.5 in C minor, Op.67 III. Allegro, IV. Allegro-Presto

78opo0ifmfM.jpg

やすらかで満たされた第2楽章が終わると、再び運命の不吉な影が忍び寄ります。
一度は平安を得た主人公が、第3楽章ではもう一度、過酷な運命に立ち向かいます。
しかしそれはいくら振り払っても纏わりつく黒煙のように、闘う主人公を苦しめ続けます。

とその時、それまでの奮闘を笑い飛ばすかのような、大胆で豪快な音楽が始まります。
どこかユーモラスで上機嫌なその音楽は、
細かいことは気にせず思うままに行けばよいと言っているかのようです。

しかしそれも程なくして止み、主人公はひとり、あてなき道をとぼとぼと歩き始めます。
万策尽きた、もはやこれまで…と思った次の瞬間、
突然、見たこともない「別の世界」が眼前に開けてきます。

最初は消え入るように静かだったそれは、次第に勢力を増し音を上げ、
ついには完全勝利の輝かしい第4楽章へと突入していきます。




ここで描かれているのは、勝ち負け二元の勝利ではなく、それを超越した次元の勝利です。
ですからもはや「勝利」という表現は不適当かもしれません。

自らを「みにくいアヒルの子」だと思っていた主人公は、
ついには自身が本当は白鳥だったことを悟り、
何ものにも煩わされず、自由な大空をどこまでも飛翔していきます。
その様は宇宙的ですらあり、神の面前に向かう者の姿でもあるかのようです。

*演奏と音響を刷新した新録音です。以前の演奏よりテンポが上がり躍動感を増しています。


ベートーヴェン:交響曲第5番
クレンペラー(オットー)
ユニバーサル ミュージック クラシック (2006-02-15)
売り上げランキング: 32,951


ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 Op.67 「運命」 第3, 4楽章 [2019][AR]
Ludwig Van Beethoven:Symphony No.5 in C minor, Op.67
III. Allegro, IV. Allegro-Presto [18:40]


Beethoven-Symphony-No5-3rd-4th-2019-AR2.mp3



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 02:37 | 交響曲 (Symphony) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月20日


ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 Op.67 「運命」 第2楽章 [2019][AR] / Ludwig Van Beethoven:Symphony No.5 in C minor, Op.67 II. Andante con moto

8071119l8.jpg

第2楽章では、自らを取り巻く外的世界の出来事に左右されない、
絶対不動の内なる平安な世界が描かれています。

そこには暴風雨に荒れる台風の中心の目のように、不思議な静かさが在ります。

ベートーヴェンは音楽の途中で、自身の内側に沈潜していく様を表しています。
それは祈りや瞑想、禅のような内側に目を向ける作業です。




ベートーヴェンは西洋のキリスト教ばかりでなく、東洋の仏教やヨガにも精通していました。
後期の作品では後者の要素が深まり、より内省的な側面が増しています。

第2楽章はその典型のような作品で、内なる平和、安らぎ、愛、感謝、祈りなどが描かれています。
また同時に、人生で起こる愛、感謝、安らかな心も表現しています。

どんなに人生が過酷な状況に包まれようとも、身に起こる出来事が辛苦に極まりなくとも、
内側には安らいだ不動の中心がある、それは永遠不変であるとベートーヴェンは音楽で語っています。

*演奏と音響を刷新した新録音です。弦を前面に出し、感情の微妙な機微をより繊細に描けるよう心がけました。また、テンポを揺らして生きいきとした演奏に努めました。




ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 Op.67 「運命」 第2楽章 [2019][AR]
Ludwig Van Beethoven:Symphony No.5 in C minor, Op.67
II. Andante con moto [11:18]


Beethoven-Symphony-No5-2nd-2019-AR2.mp3



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 13:47 | 交響曲 (Symphony) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月12日


ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 Op.67 「運命」 第1楽章 [2019][AR] / Ludwig Van Beethoven:Symphony No.5 in C minor, Op.67 I. Allegro con brio

6face4344795f2.jpg

30代が近づき耳の不自由さがいよいよ深刻さを増して来たベートーヴェンは、
華やかな社交界からは退き、人との交流を避け、ウィーン郊外の喉かな田園地帯である
ハイリゲンシュタットに居を構えて、そこで作曲活動に専心するようになりました。

一度は遺書まで書き、死を覚悟したベートーヴェンは、自らの使命感でそれを乗り切ると、
以後は人間の生死に関わる内相的で、奥行きのある大作をいくつも作るようになりました。
九つある交響曲はその代表作で、ことに「英雄」「運命」「田園」「第九」などは
ただの音楽の領域を超えた"神の声"とも言える作品群です。

ベートーヴェンは自らを音楽において、神に最も近しい人間と位置づけ、
音楽を通じて人類に神のメッセージを届けることを使命と感じていました。
ですから何があっても死ねなかったのです。
ベートーヴェンは「音楽は最大の啓蒙である」と語りました。




ベートーヴェンは午前中に作曲の作業を仕上げると、午後は時には日没後の夜になるまで、
ひたすら郊外を散策し、そこで楽想を固め、翌日にはそれを書き留めていました。

最早、ほとんど耳が聴こえなかったベートーヴェンは、自然を散策しながら聴こえない音を聴き、
自らの内で自然を通じて神と交流し、その声を音楽として受け取っていたのです。

ですからベートーヴェンの音楽は、一時の流行り廃りで消えるようなものではなく、
人類が存在する限り、その心の支えになり得る力を持っているのです。

*演奏と音響を刷新した新録音です。E.Tのテーマが閃いた丘に久しぶりに訪れた際、かなり高速な第1楽章が頭の中に鳴り渡り、その後、全楽章のイメージがそこで固まりました。今後、順にそれを形にしてお届けしていきます(音響はベートーヴェンの真意を伝えるため、極力薄くしました)。


ベートーヴェン:交響曲第5番《運命》
シェルヘン(ヘルマン)
プラッツ (1998-09-19)
売り上げランキング: 79,567


ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 Op.67 「運命」 第1楽章 [2019][AR]
Ludwig Van Beethoven:Symphony No.5 in C minor, Op.67
I. Allegro con brio [7:59]


Beethoven-Symphony-No5-1st-2019-AR2.mp3



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 18:55 | 交響曲 (Symphony) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月05日


エルガー:威風堂々 第1番 ニ長調 Op.39 [2019][AR] / Edward William Elgar:Pomp and Circumstance March No.1 in D major, Op.39

ChsjNO9hWikwAAcsig.jpg

イギリス・ロンドンで毎年夏に開催される、世界的なクラシック音楽祭「ザ・プロムス」。
8週間に及ぶシリーズの最終日(ラスト・ナイト)では、BBC交響楽団と合唱団、
そして聴衆が一体となって、『威風堂々』を歌い上げてフィナーレを締めくくります。
その高揚感に満ちたシーンからは、いかにイギリス国民が第2の国歌として、
この曲を愛しているかが、否が応でも伝わってきます。

『威風堂々』とひと口に言えば、ニ長調の第1番か、あるいはその中間部(2:00)の、
トリオの有名な旋律、『希望と栄光の国』(Land of Hope and Glory)を想起しますが、
実際にはエルガー自身が完成させた、第1番から第5番までの5曲と、
アンソニー・ペインが補完した第6番の、全6曲の行進曲集を指します。

原題"Pomp and Circumstance"は、シェイクスピアの戯曲『オセロ』第3幕第3場の、
『Pomp and Circumstance of gloriouswar』という台詞から取られています。
「壮麗、華麗」を意味するPomp、「儀式張った、物々しい」を意味するCircumstance。
『威風堂々』の訳はこれらから考えて、かなり意訳に近いかもしれませんが、
ウェーバーの『魔弾の射手』のように、指折りの名訳と呼んでもいいと思います。

1901年に作曲の第1番は、友人のアルフレッド・ロードウォルドに捧げられました。
ロードウォルドはリヴァプールで繊維会社を経営する実業家で、
自ら組織するリヴァプール・オーケストラ協会の指揮者でもありました。

彼はエルガーの理解者として経済的な援助を惜しまず、
これに感謝したエルガーは、ロードウォルドとオーケストラに第1番を捧げたのです。
作曲年の10月19日にリヴァプールにて、ロードウォルドの指揮で初演されました。

3日後の1901年10月22日、ロンドンのクイーンズホールでの演奏会は大盛況で、
秩序を回復するために、2度のアンコールに応えたと指揮者ウッドは伝えています。




国王エドワード7世は中間部のメロディを「いずれ世界中に広まるだろう」と絶賛し、
エルガーに歌詞を付けることを勧めました。
そこでエルガーは翌年に、国王のための『戴冠式頌歌』(Coronation Ode)を作曲。
終曲に中間部の旋律を用いて、作家A.C.ベンソンの祖国を讃える内容の詩を付け、
『希望と栄光の国』というアルト独唱、合唱団と管弦楽のための曲に仕上げました。

さらにこの曲の人気に目をつけた出版社が、独立した歌曲として売り出し、
『希望と栄光の国』は国歌に次ぐ、国民的な愛唱歌となっていったのです。
現在でもザ・プロムスなどにおける演奏がBBCで放映される際には、
歌曲の最初の部分でエリザベス2世女王の映像が、必ず流されることになっています。

*演奏と音響を刷新した新録音です。弦楽器のスタッカートを強調しメリハリをつけました。それを活かすために音響は残響を浅めにしました。




エルガー:威風堂々 第1番 ニ長調 Op.39 [2019][AR]
Edward William Elgar:Pomp and Circumstance March No.1 in D major, Op.39 [6:32]


Elgar-Pomp-and-Circumstance-March-No1-2019-AR.mp3



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 09:56 | 管弦楽曲 (Orchestral) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月28日


リヒャルト・シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき Op.30 1. 導入部 [2019][AR] / Richard Strauss:Also sprach Zarathustra Op.30 1. Einleitung

khp9yuop.jpg

「ツァラトゥストラはかく語りき」は、ドイツの哲学者ニーチェの未完の哲学的詩作です。
主人公のツァラトゥストラはゾロアスター教の開祖とされるペルシャの伝説的人物。
彼は13歳で故郷を捨て山に入り、10年間の瞑想生活を過ごします。
そしてある朝、日の出と共に目覚め、太陽に悟りを得たことを告げるのです。

山を降りた彼は俗界に帰り、予言者として新たな思想を説き始めます。
自分の知恵を人間のおごりが謙虚になるまで、不満足が満足になるまで
分け与えたいと考えるこの主人公こそが、他ならぬニーチェ自身の象徴であり、
「ツァラトゥストラはかく語りき」は、ニーチェの哲学的思索の集大成とも言える作品なのです。

若い頃、ミュンヘンの大学で哲学を専攻し、ニーチェの思想に共鳴したシュトラウスは、
「ツァラトゥストラ」に感銘を受け、そこから得た霊感を元に1曲の管弦楽曲を書き上げました。
それが標題を「ツァラトゥストラはかく語りき」とした、作品30の交響詩です。

シュトラウスはスコアの冒頭に、ニーチェの原著から序文を掲げていますが、
この交響詩はニーチェの著作の音楽化を試みたのではなく、
シュトラウス自身の言葉によれば、「人類の発展の観念がその起源から様々な経過をたどり、
ニーチェの超人の観念に至るまでを音楽で表そうとした」作品です。
シュトラウスは標題に添えて「ニーチェに自由に従った」とも記しています。




この交響詩は導入部と8つの章で構成され、切れ目なく演奏されます。

1.Einleitung (導入部)
2.Von den Hinterweltlern (世界の背後を説く者について)
3.Von der großen sehnsucht (大いなる憧れについて)
4.Von den Freuden und Leidenschaften (喜びと情熱について)
5.Das Grablied (墓場の歌)
6.Von der Wissenschaft (学問について)
7.Der Genesende (病より癒え行く者)
8.Das Tanzlied (舞踏の歌)
9.Nachtwandlerlied (夜の流離い人の歌)

1896年の2月にミュンヘンで作曲が始まり、同年の8月24日に完成。
11月27日に、フランクフルトの博物館協会のコンサートにおいて、
シュトラウス自身の指揮によって初演され、大きな反響と反論を呼びました。

スタンリー・キューブリック監督の映画「2001年 宇宙の旅」では、
まだ未開の人類が初めて自我に目覚める場面で象徴的に使用されています。
これにより同曲は一躍、世界中にその名を知られる作品になりました。


Strauss: Also Sprach Zarathustra, Don Juan / Karajan
J. STRAUSS
DGGOR (1995-08-28)
売り上げランキング: 30,164


リヒャルト・シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき Op.30 1. 導入部 [2019][AR]
Richard Strauss:Also sprach Zarathustra Op.30 1. Einleitung [1:56]


Richard-Strauss-Also-sprach-Zarathustra-Einleitung-2019-AR.mp3



ブログパーツ
posted by アンドウトワ at 00:00 | 管弦楽曲 (Orchestral) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする