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2017年03月09日


グラナドス:組曲「ゴイェスカス〜恋するマホたち」第4曲「嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす」

グラナドス:ゴイェスカス 他(期間生産限定盤)
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♪愛する妻に捧げられたメランコリックなピアノ曲

「スペインのショパン」とも呼ばれる作曲家・ピアニストのグラナドスは乗船が大嫌いでした。

演奏会のためにマジョルカ島に船で渡った際、グラナドスは船室に閉じこもって時計を睨んで過ごし、
バルセロナに戻ったときにはもう二度と船には乗らないと友人たちに宣言したといいます。

そんなグラナドスが奇しくも、嫌っていた船旅により命を落としたのは、何かの因縁でしょうか?

グラナドスは1911年にゴヤの絵画に触発され作曲した、ピアノ組曲『ゴイェスカス』を、
自ら2幕もののオペラに改作し、パリでの初演を計画していました。
しかし、第一次世界大戦の勃発で断念したところへ、アメリカのメトロポリタン歌劇場から
ニューヨークでオペラ『ゴイェスカス』を初演したいとの申し出がありました。

夫妻での列席を求められたものの、船旅が嫌いなグラナドスは、ためらった末にこれを受け、
1916年1月、ニューヨークで行われたオペラの初演は大成功となりました。
ウィルソン大統領の招きによりホワイトハウスで演奏会を開くことになったグラナドスは、
予定していたスペインへの直行便をキャンセルしてアメリカ滞在を延長しました。

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3月に入ってグラナドス夫妻が帰国のため乗船したサセックス号は、ロンドン経由で英仏海峡を渡航中、
3月24日にドイツ軍の潜航艇Uボートによる魚雷攻撃を受け、夫妻はその犠牲となってしまったのです。

グラナドスは救命ボートに引き上げられる際、波間に沈もうとする妻アンパロの姿を見つけました。
妻を助けようとした彼は再び海中に身を投じ、二人はもつれ合うように暗い波間に消えたといいます。

「嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす」は、グラナドスの最愛の妻アンバロに献呈されました。
組曲中で最も知られるこの曲は、窓辺で物思いに沈むマハと夜に鳴くうぐいすの情景を描いています。
マハとはマドリッドの下町の粋な女のことで、マホは粋な男を指します。

グラナドスの作品中、際立って物憂げなこの曲は、バレンシア地方の民謡が基になっています。
メランコリックな曲調が、どこかグラナドスと妻の生末を暗示しているかのようです。

オペラでは最後のクライマックスでマホが決闘に破れ、マハが見守る中死んでしまいます。
マハがマホを思う切なさを、うぐいすの声に託したのが「嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす」なのです。




組曲「ゴイェスカス〜恋するマホたち」より第4曲「嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす」
Enrique Granados:Goyescas - Los majos enamorados, parte I
4. Quejas, o la maja y el ruisenor [6:30]

http://classical.seesaa.net/Granados-Goyescas-4th.mp3


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posted by アンドウトワ at 12:24 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月08日


ベートーヴェン:交響曲 第3番 変ホ長調 Op.55 「英雄」 第1楽章 [新録音2017]


♪人類の規範となる崇高な精神を表現

ベートーヴェンにとってナポレオンは、彼が理想とする自由と博愛の象徴でした。
ナポレオンの快進撃に人類の解放と自由を重ねて見ていたのです。

ところが敬愛するナポレオンは権威の象徴である皇帝の座に即位してしまいます。
その知らせを聴いたベートーヴェンは激怒し、失望に打ち震えました。

第3交響曲「英雄」はナポレオンに捧げるべく作曲が進められた作品でした。
スコアの表紙には「ボナパルト」、下にルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンと記し、
ナポレオンの功績を称え、彼に献呈するつもりでしたが、その表紙を破り捨て、
代わってイタリア語で「英雄的」の意味を持つ「エロイカ」と表記を改めました。

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結果としてこの作品はナポレオンという一個人を扱ったものではなく、
人間にとってのあらゆる英雄的な行為、またその根底にある
意志、決意、気迫、情熱といったものを表すものとなりました。

ベートーヴェンが作曲家としては致命的な耳疾に悩まされながら、
それを決然と克服した時期の記念碑的な作品でもあります。

ベートーヴェンはその後、「運命」「田園」「第九」といった交響曲で、
人類の道標になる精神を示しましたが、「英雄」にはそれらの土台となる、
人間のぶれない意志、軸となる不動の自己が示されています。

ワグナーは4つの楽章を「活動」「悲劇」「寂境」「愛」とし、
真のベートーヴェンの姿が表れていると評しました。


* 2007年の公開以来、10年ぶりの新録音となります。
作為的な表現は控え、無心で音楽の自然な流れに任せました。




ベートーヴェン:交響曲 第3番 変ホ長調 Op.55 「英雄」 第1楽章 [2017]
L.V.Beethoven:Symphony No.3 in E flat major, Op55 "EROICA"
1. Allegro con brio [15:37]

http://classical.seesaa.net/Beethoven-Symphony-No3-1st-2017.mp3



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posted by アンドウトワ at 10:43 | 交響曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月21日


ブラームス:ワルツ第15番 変イ長調 Op.39-15 [新録音2017]

ブラームス:ハンガリー舞曲集、16のワルツ
アロイス&アルフォンス・コンタルスキー
ユニバーサル ミュージック(2017-01-25)
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♪家庭向けの音楽としても大変親しまれたワルツ集

“ブラームスのワルツ”として知られるこの愛らしいピアノ小品は、
ピアノのための連弾曲集《4手のためのワルツ集(16のワルツ)》Op.39の第15番です。

1865年に出版され、畏友エドゥアルト・ハンスリックに献呈されました。
出版された時代は家庭音楽への需要も高く、作曲者も予想外の売り上げを示しました。

反響の大きさを受けて、ほかに独奏版も発表されています。
また、ブラームス自身の編曲による2台ピアノ版(第1、2、11、14、15番)も発表されています。

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楽曲ごとに様々な性格の違いが見られ、スラヴ風の愁いを含んだもの、
ハンガリー風のにぎやかな曲想をもつもの、子守唄風のもの、
夜想曲風のものとさまざまで、いずれも親しみやすい小品なのが特徴です。

今回お届けする第15番は、曲集中で最も有名な楽曲です。
2017年1月現在、NHK Eテレ「2355」の“トビハゼのトビー”のBGMとしても人気です。

独奏版では平易に書き改められた、通常版とは調が異なる曲が存在します。
今回の演奏は、原調のイ長調から変イ長調に改められた独奏版です。




ブラームス:ワルツ第15番 変イ長調 Op.39-15 [新録音2017]
Johannes Brahms:Walzer No.15 in A-flat major, Op.39-15 [1:45]

http://classical-sound.up.seesaa.net/Brahms-Walzer-No15-2017.mp3



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posted by アンドウトワ at 10:05 | 器楽曲・ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月04日


ビゼー:歌劇 《カルメン》 前奏曲 - 闘牛士 [新録音2017]

ビゼー:「カルメン」第1組曲、「アルルの女」第1組曲&第2組曲
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カラヤン(ヘルベルト・フォン)
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♪スペインを舞台に自由奔放に生きる女"カルメン"を描いた傑作オペラ

ビゼーが生きた19世紀半ばのフランスオペラは、オッフェンバックに代表されるような、
肩肘張らずに気軽に楽しめるオペレッタ(喜歌劇)が主流でした。

ウィーンではワルツ王ヨハン・シュトラウス二世が喜歌劇界に転向しようかという時期に、
ビゼーが着手したオペラが、後の名作として名高い「カルメン」でした。

1872年にパリのオペラコミック劇場から新作の依頼を受けたビゼーは、
当時のパリのオペラ界に新風を呼ぶ、革新的な作品を作ろうと考えました。
そこで題材として選んだのが、フランスの文豪メリメの「カルメン」でした。

メリメの書いた物語は、人殺しや密輸入が登場するリアルで血生臭い話でした。
これにはオペラコミックの支配人ルーヴァンが猛反対しました。
家族そろって楽しめる劇場として、とても出せる話ではないと考えたのです。

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そこでビゼーは台本作家と相談し、原作にはない人物を登場させたり、
設定を変更するなどして、ようやくと支配人の納得する作品として完成させました。

しかし、美しいヒロインが登場するきれいな舞台を期待した観客は、
「カルメン」で描かれる薄汚れたタバコ工場や、そこで働く女工といった
あまりに現実的な内容に失望し、75年の初演は惨憺たる結果に終わってしまいました。

結局ビゼーは「カルメン」の成功を見ぬまま、初演から3か月後に亡くなってしまいました。
しかし、パリでの初演は不評だったものの、その後、ウィーンを始めヨーロッパ中で火がつき、
後にはチャイコフスキーやサン=サーンスも認める、不動の地位を手に入れるに至りました。
ヒロインの生き方に惚れ込んだというニーチェは、「カルメン」を20回は観たと記述しています。


* 2007年1月以来、ちょうど10年ぶりの録音となります。
演奏自体はテンポを速め、よりメリハリがきくよう心がけました。




ビゼー:歌劇 《カルメン》 前奏曲 [2017]
Georges Bizet:"Carmen" Suite No.1 "Prelude - Le Toreadors" [2:18]

http://classical.seesaa.net/Bizet-CarmenSuite-No1-Prelude-Le-Toreadors.mp3



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posted by アンドウトワ at 12:19 | オペラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月23日


ファリャ:リチュアルダンス 〜 バレエ音楽 《恋は魔術師》 から「火祭りの踊り」[Piano]


入江のざわめき/スペイン・ピアノ名曲集
ラローチャ(アリシア・デ)
ポリドール (1994-04-22)
おすすめ度の平均: 5.0
5 かっこいいですよ!
5 情熱のスペイン音楽


♪スペインの民族色あふれるファリャの代表作

近代スペインを代表する作曲家のひとりファリャは、1876年に南スペインのカディスに生まれました。

優秀な成績を残したマドリード音楽院時代には、ピアノを学ぶかたわら作曲をフェリーぺ・ペドレルに師事。
近代スペイン音楽復興の立役者であるペドレルからの影響は、
後の作品で目に見える形となって結実することになります。

そんな作品のひとつ「恋は魔術師」は、フラメンコ特有の奏法を取り入れるなどした、
スペイン民族色の色濃く出た音楽です。

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1914年、ジプシー系女性舞踏家のパストーラ・インペリオからの依頼を受けたファリャは
「恋は魔術師」の作曲にとりかかり、1915年に完成させています。

その後これをピアノ用、オーケストラ用にも自身で編曲を行っていますが、
中でも華やかで演奏効果の高い「火祭りの踊り」は、単独でも演奏されることの多い人気曲です。


*「リチュアルダンス」はフィギュアスケート 浅田真央選手の2016-2017シーズン曲です。
SPではピアノVer.が使用され、FSではオーケストラVer.が使用されています。




ファリャ: リチュアルダンス 〜 バレエ音楽《恋は魔術師》から「火祭りの踊り」[Piano Ver.]
Manuel de Falla:Danza ritual del fuego
http://classical-music.aki.gs/Falla-Danza-ritual-del-fuego.mp3



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2016年09月17日


ボロディン:交響詩 《中央アジアの草原にて》 [新録音 2016]


ボロディン:交響曲第2番&中央アジアの草原にて、ダッタン人の踊り(期間生産限定盤)
価格:
ロリス・チェクナヴォリアン(指揮)
ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
SMJ(2016-09-07)
売り上げランキング: 2080


♪どこまでも広がるコーカサスの草原のできごとを描いた交響的絵画

『中央アジアの草原にて』は、ロシアの作曲家アレクサンドル・ボロディンが作曲した交響詩です。

1880年、ロシア皇帝アレクサンドル2世の即位25周年を祝い、
ロシア各地で多くの祝賀行事が催されました。
催し物のひとつに活人画の上演があり、その伴奏音楽としてボロディンが作曲したのがこの作品です。

1880年4月8日、サンクトペテルブルクにてリムスキー=コルサコフの指揮により初演されました。

ボロディンはオーケストラの音の数を最小限にとどめ、繊細な感性と独自の手法により、
どこまでも広がる中央アジアの草原の様子を見事に描き出しています。

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楽譜の扉には次のような本人の説明が記されています。

『見渡す限り茫漠と広がる中央アジアの砂地の草原に、
平和なロシアの歌が不思議な響きを伝えてくる。

遠方から馬と駱駝の足音に交じって、東洋の旋律が響き漂う。

アジアの隊商が近づく。
彼らはロシア兵に護衛されながら、果てしない砂漠の道を安全に進んで行く。

近くからやがて遠くへと去り行く、ロシアの歌とアジアの旋律が溶け合い、不思議なハーモニーを築く。

そのこだまは次第に草原の空へ消えてゆく。』


ヴァイオリンがE音を持続させ、風がそよぐ静かな平原の様を示すと、
クラリネット、それに続いてホルンがロシアの民謡をうたいはじめます。

やがて弦のピチカートが隊商の近づく歩みを示すと、
そこへイングリッシュホルンが奏でる、東洋の寂しげな旋律が続きます。

ロシアと東洋の二つの旋律が様々に変化し、絡み合いながら、
音楽は草原に起きたひとときのできごとを、丹念に描いていくのです。

後半では悲し気な東洋の旋律が、光射す明るい長調に転じ、
牧歌的なロシアの旋律と重なって、豊かなハーモニーを奏でます。

やがて隊商は彼方へと去りゆき、そこにはもとの平和な草原が広がっているのです。


* 2006年の録音ではシンプルな音楽にも個性を出そうと力んでいましたが、
今回は楽曲の素朴さを活かすため、金管の強奏はやめ、木管と弦の響きが
前に出るようにあらためるなど、より自然な演奏を心がけました。




ボロディン:交響詩 《中央アジアの草原にて》 [2016]
Alexander Borodin:In the Steppes of Central Asia [8:33]
http://classical.seesaa.net/Borodin-In-the-Steppes-of-Central-Asia-2016.mp3



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posted by アンドウトワ at 10:37 | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする